□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年8月8日第603号 ■ ============================================================== 金メダルにこだわらなくなった中国選手、この変化に注目したい ============================================================== オリンピックの日本選手の活躍は感動的だ。 私はオリンピックが始まれば報道はオリンピック一色になる。その 陰で重要なニュースが国民の目から遠ざけられる、と懸念した。 しかしその考えを今ではすっかり変えてしまった。 政治の体たらくを見ていると、こんな政治ニュースなどどうでもよく 思えてくる。 そんなことよりもオリンピックの日本選手の活躍のニュースのほうが はるかに価値がある。 勝っても負けてもそこには感動がある。 政治と違ってウソがないからだ。一生懸命さがあるからだ。 もちろん私は日本国民だから日本選手を応援する。 日本選手がメダルを取る事を期待し、取れば感動する。 それも金メダルであればなおいい。 しかしたとえ負けてもその失望と悔しさを共有したい。 間違っても国威発揚などという発想で日本選手を応援することはない。 ところがオリンピックでの日本選手の活躍と日本の国威発揚を安易に 結びつける論説がある。 たとえばきょう8月8日の産経新聞に外交評論家の岡本行夫氏が書い ている。 今や、日本の名前が国際的に言及される事も少なくなった中で、この 活躍は素晴らしい。チーム競技に見せた結束力で日本を再び上昇気流に 乗せる夢を持とう。2016年のオリンピック日本招致を実現しようと。 オリンピックの成績を国威発揚に結びつけようとするのは何も岡本氏 に限ったことではない。 野田首相は壮行会でメダルを取りまくれと激をとばし、鈴木寛文部 科学省副大臣は選手育成の予算を増やすべきだなどと言い出している。 そしてそれは日本に限ったことではない。 米国でも連日、ロンドン五輪のメダル獲得のニュースで盛り上がって いるというし(8月6日産経ポトマック通信)、4年前の北京五輪では 中国は米国を抜いて世界一の金メダル獲得国を目指した。 そんなオリンピックの記事の中で私が注目したのは8月5日の読売 新聞の「中国 変わるスポーツ観」という記事だ。 そこにはメダル一辺倒の国策スポーツ政策からの脱却を求める中国 選手の声が紹介されていた。 「ようやくわかったのは、メダルを取ることだけが真の勝者ではない ということ」 「中国では練習し、練習を続けるために休み、また練習。趣味や自分 の時間を持つこともない」 「目標を金メダルだけに置いていない。競技を楽しみたい」 「金銀銅、入賞、それ以外の選手、そこにまったく差はない」 これらは中国のオリンピック選手たちの声だという。 中国のネットでもメダル至上主義への批判や反省が広がっている という。 私が驚いたのは、中国政府自身がメダル至上主義の反動をおそれて その政策を修正しようとしていると書かれていたことだ。 中国は確かにかわりつつあるような気がする。 中国選手が国威発揚の五輪政策に疑問を持ち始めるように、中国 国民が中国政府から自立し、個人主義、人権主義に目覚める時、よくも わるくも中国の脅威が本物になるような気がする。 日本人は尖閣諸島問題ばかりに煽られて中国を見ていると大きな 誤りを犯すことになる。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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