□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年8月2日第587号 ■ ============================================================== 野田首相は石原慎太郎を抑えられるのか ============================================================== 野田首相の外交姿勢がまったく見えない。 野田民主党政権の外交姿勢のことではない。政治家野田個人の外交 信念のことだ。 野田民主党政権の外交姿勢は外務官僚がつくる。そして今の外務官僚の つくる外交政策などはじめからわかりきっている。 それは政治的リスクをおかさず、すべては先送りするということだ。 困難な外交を避け、どうでもいいことばかりに精を出してあたかも外交 をしているふりをすることだ。 そして日米関係だけは明瞭、即断だ。最初から対米追随の結論ありきだ。 そんな外務官僚のつくる外交に従う民主党政権の外交であっても、野田 首相に自らの外交姿勢があれば、それは最後はどこかに反映される。 私が知りたい野田首相の外交姿勢とはその事である。 果たして野田首相の尖閣諸島問題に関する外交姿勢はどこにあるのか。 野田首相が尖閣諸島を国が購入すると突然言い出した時、私はそれを 歓迎すると書いた。 私は尖閣諸島の領有権問題については、かつて中国の要人が言ったように、 日中両国民が成熟した関係を持てるようになるまでは棚上げすることこそ 現実的であると考える一人だ。 いま両国政府が領土権を主張し、お互いに実効支配を進めようとすれば 最後は戦争に行き着く。 戦争に行き着かないまでも、政治的緊張が続いたままの関係が続く。 それが日中双方の利益にならないことはあきらかだ。 野田首相が個人的にどのような信条があるにせよ、一国の首相である以上 その外交姿勢は日本全体の利益を優先しなければならない。 野田首相がそのような考えの下に国有化方針を打ち出したと思うから 私は国有化に賛成するのだ。 そしてここからがこのメルマガの本題である。 8月1日の読売新聞を見て驚いた。読売新聞だけが書いていた。 政府は7月31日、東京都から尖閣諸島への上陸許可申請が出された場合、 上陸を認める方向で検討に入ったというのだ。複数の政府関係者が明かした という。 これまで政府は尖閣諸島への上陸は政府関係者以外は認めてこなかった というのにである。 そして読売新聞によればその理由はこうだ。 尖閣諸島の購入価格の算定をめぐって石原慎太郎都知事は上陸して測量 する必要があるとして国に許可申請をしている。 これを断れば東京都との関係が冷え込むおそれがあると判断して上陸を 認めるというのだ。 この点については8月2日の日刊ゲンダイはもっと明確に書いている。 石原慎太郎は7月中旬に「国が上陸もさせない、測量もさせないと言う形 で妨害するのは何なのか。裁判に訴えたって(その理由を)聞きたい」と 牽制したので認めることにしたというのだ。 これを要するに野田首相は石原慎太郎を抑えつけられないということだ。 測量のための上陸だけにとどまるのならまだいい。 しかし石原慎太郎の意図は明らかに尖閣諸島の実効支配を進めることだ。 そんな石原慎太郎を抑えつけられないようであれば、尖閣諸島を国が購入 しても棚上げにならないおそれが出てくる。 野田首相は石原東京都知事やその考えに賛同する対中強硬の国民感情を 抑えて尖閣問題棚上げに沿って中国と合意を目指す外交を貫く確たる考え があるのだろうか。 それは決して対中譲歩ではない。対中軟弱外交ではない。 現実的で建設的な対中外交である。 その信念が野田首相にあるのか。 私が野田首相の外交姿勢を知りたいと 言う理由がそこにある。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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