□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年7月24日第562号 ■ ============================================================== 円高という名の日本経済弱体化政策 ============================================================== すこし前の記事であるが7月5日の夕刊フジの連載「世界を斬る」で 元NHKのアメリカ総局長であった日高義樹氏が書いていた。 アメリカの指導者たちは日本でいま起きている政治的大混乱を大いに 喜び、歓迎していると。 その理由が極めて興味深い。 それを紹介するのがこのメルマガの趣旨である。 日高氏は言う。 「日本を苦しめている円高やデフレは、経済的な環境によって作り 出されたものではなく、民主党政権の政治力の無さによる政治の混乱 と日米安保条約によってつくりだされたものである」と。 その理由は要旨次の通りだ。 「日本円は1985年9月のプラザ合意で急に切り上げさせられた。 それ以降ずっと円高が続いている。円高のメリットについては色々な ことが言われているが、輸出にとってはきわめて不利である。円高の 張本人は、レーガン、ブッシュ父の両政権下で大統領首席補佐官、財務 長官、国務長官を務めたジェームズ・ベーカーだ。彼は自民党と日本の 官僚たちの強い抵抗に手を焼いたが最後は力で押さえつけた。 アメリカは『経済力で対応できなければ政治力で潰す』という考えの もとに小泉政権と竹中平蔵氏を利用して自民党政権と官僚を潰した。 その結果弱くていつも混乱している民主党政権が成立し、日本円の交換 レートは高くあり続けた。円高は政治力の強いアメリカと、政治力の ない日本の当然の帰結なのである」と。 この解説は実に鋭い。 我々は、為替レートはその国の経済的信認を反映するものだと思い込 まされている。円高はその国の経済力や国力を反映するものであるから 好ましいと思い込まされている。円高、円安は一長一短があり、避ける べきは為替レートの急激な乱高下である、などともっともらしい説明 を聞かされてきた。 しかし輸出で経済成長を遂げた日本経済にとっては円安こそ圧倒的に 有利であり歓迎さるべきなのだ。 それどころかどの国も通貨が安いほうが輸出に有利に決まっている。 輸出に頼って自国の経済を富ませるのは輸入国を貧しくさせることで ある。だから通貨を低くして輸出を促進する事を近隣窮乏化政策と呼ぶ のである。 いまの米国がまさにそれだ。輸出促進のためドル安を容認している。 しかしドル安だからといって米国の国力が低下しているなどと米国が 思うはずが無い。世界一の軍事力を背景に米国は常に世界のチャンピオン だと思っている。 冷戦なき後、もはや米国は日本が弱くなったほうが良いのだ。 もはや自民党政権でなくてもいいのだ。 ベーカーが手を焼いたかつての官僚はいまは見る影もなく、情けない までに対米従属に走っている。 その唯一の例外が小沢一郎だった。 小沢一郎が民主党を牛耳っている時は米国はやりにくかった。 小沢一郎を排除した今となっては野田民主党政権は米国の言いなりだ。 米国に楯突く政治家や官僚などはもはやいない。 日高義樹氏が言うところの「野田政権の混乱を喜ぶアメリカ」という 意味がここにある。 オスプレイの強行配備もTPPのごり押しも日本企業の空洞化も、 何もかもやりたい放題だ。 小沢一郎が排除されて対米従属の政治家や官僚、財界、メディアが この国を支配する。 これこそが間もなく出版される「戦後史の正体」(創元社)で孫崎享氏 が国民に目を覚ませと訴えているこの国の現実だ。 国民必読の書である。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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