□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年7月2日第504号 ■ ============================================================== オスプレイの裏で行なわれた防衛省のもう一つの大失策 ============================================================== オスプレイの強行配備を日本政府が決定した6月29日に、もう一つ の大失策が決定されていたことを果たしてどれだけの国民が知っている だろうか。 6月30日の各紙が小さく報じていた。 防衛省は6月29日、2016年度までに購入することになっている 次期戦闘機F35のうち最初の4機について米政府と正式契約したことを 発表したと。 ところがその防衛省の発表を報じる6月30日の東京新聞は、その同じ 紙面の片隅に「納入後、米に留め置き 防空態勢懸念」と題する小さな 記事を掲載していた。 その要旨はこうだ。 ・・・契約では2017年3月に日本に納入されることになっているが、 実際は納入されることなく米国に留め置かれる。F35の開発終了を意味 する「初期運用能力」の承認前に機体を国外に輸出することが出来ないと いう米側の事情があるからだ。この間にはF35と交代するF4戦闘機は 退役するため、日本の防空態勢に穴が空く恐れが高まった・・・ 予算逼迫の折からこのような予算の無駄遣いが行なわれていいのか。 しかも予算の無駄遣いにとどまらず日本の防衛力まで危うくしている。 このF35次期戦闘機の導入決定をめぐる不合理さについては当初より さんざん指摘されていた。 それにもかかわらず野田民主党政権は昨年12月にあわてて決定した。 そのツケがこうしてどんどんと表面化して来ているのだ。 それにも関わらずメディアはまったく批判しない。 そんな中で産経新聞がただ一人、正面からこの政策を厳しく批判した。 7月1日の産経新聞「日曜日に書く」で佐々木類ワシントン支局長は 「欠陥品に巨費投入の愚」と題して要旨次のように書いていた。 ・・・これは一大スキャンダルだ。消費税増税を柱とした社会保障と税 の一体改革関連法案を舞台回しとした民主党の分裂騒動に目が奪われて いる間に、野田政権は最新鋭ステルス戦闘機F35という、2019年 まで空を飛べない巨額の欠陥品の調達契約を決断した。 米軍と英、カナダ、オーストリア、イタリアなど同盟国は、すべて調達 計画の中止や見直しを決めている。にもかかわらず日本だけが米軍よりも はやく購入するというのだからあいた口がふさがらない。 「機体に多数の亀裂で調達延期は不可避」(デンプシー米統合参謀本部議長) 「実戦配備できる量産計画は未定」(シュワルツ空軍参謀総長) 「トラブル続きで価格高騰は必至」(カーター国防副長官) 「開発完了前の生産着手は失敗」(ケンダル国防次官代行) 「開発計画に深刻な懸念」(ギルモア国防総省局長) ざっと挙げただけでも、この1年余りでこれだけ多くの米軍首脳が警鐘を 乱打して来た。 日本で懸念されているのが、F35を導入しなければ日米関係が悪化する という誤解だ。逆に米国関係者は、F35の導入の不都合により互いに 不信感が生じるおそれがあり、日米同盟に危険を引き起しかねないと懸念 しているのが実情だ。 総額8千億円にのぼるF35の開発をもう2-3年慎重に見極めたり、 現実的な代替案を真剣に検討することなく、なぜ防空網に穴を空けるのか。 今夏の来年度概算要求では森本敏防衛相の英断に期待したい。財務省の 奮起を待ちたい。「過ちを改むるにはばかることなかれ」・・・ これは私の野田政権批判ではない。 産経新聞がここまで正論を掲げているのである。 野田政権がいかに間違っているかという事である。 了 ─────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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