□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年6月22日第481号 ■ ============================================================== 新党に言及した小沢一郎の反転攻勢を歓迎する ============================================================== ついに小沢一郎が新党を口にした。私はこれを歓迎する。 果たして小沢一郎は私の意見に耳を傾けるようになったのか。政局は 私の思惑通りに動くのか。 それはもちろんわからない。 しかしいまの私の考えを書いてみたい。 少なくとも政策に関する限り、小沢一郎は私の考えに近づきつつある ように思える。 私の進言を受け入れたとうぬぼれるつもりはない。 私の進言とは関わりなく、小沢一郎は自らの判断でそう発言している のだろう。 消費税増税と原発再稼動に反対する限り国民の理解は得られるという 小沢一郎の発言に私は同意する。 願わくば、それが政局がらみの発言ではなく、国民生活のために本気 でそう思っての発言であることだ。 そして願わくば、消費税増税反対と原発再稼動反対に加えて、沖縄 問題でも明確に発言することだ。 沖縄住民の声を米国に伝えて正しい日米関係の確立のために再交渉を すると明言することだ。 私は、いずれ小沢一郎は日米関係についても発言するだろうと思って いる。 ここまでは政策についてである。 問題は政局だ。 私は小沢陣営の中に入った時点で、もっぱら政策的なことに重点を おいて進言することにしてきた。 小沢新党をはやく立ちあげて野田・輿石民主党政権の間違った政策 に対する対抗軸を国民に示すべきだという進言は、一度だけしたことは あったが、ある時からそれを封印してきた。 それは小沢一郎にその決意があることを知ったからだ。 闘う覚悟は決めている、闘う以上あらゆる手段を使って勝ちにいく、 そのタイミングは最善の時を選ぶ、という側近たちの言葉を聞いた時、 私はこれ以上政局がらみの発言はすべきではないと判断した。 政治家でない私が政局に口を挟みことは僭越であるからだ。 それ以来、小沢陣営の政局がらみの動きについての情報は入らなく なった。 そしてついに小沢一郎が新党結成の言葉をはじめて口にした。 私はそれを待っていた。 私が注目したのは次の諸点だ。 すなわち小沢一郎はまだ新党を作るといっているわけではないと いうことだ。 ベストの時期にそれを立ち上げる、その時に備えて準備をすると 言っているのだ。 その時はいつか。一つは6月26日にずれ込んだ法案採決の時だ。 しかし、この時でさえまだどうなるかわからない。 新党は解散・総選挙が見えてきた時にはじめて動き出すのではないか。 早ければ9月、遅くとも来年2月に総選挙がある、準備せよ、と言 った小沢一郎の言葉は大きい。 二つ目に私が注目したのは小沢一郎が輿石幹事長の説得に応じなかっ たということだ。 すなわち決起発言をする直前に、小沢一郎は輿石幹事長に呼ばれて 党内融和を求められた。 党内融和といえば聞こえがいいが、これは増税法案に反対票を投じる なということだ。 それに対し小沢氏は増税は認められないと応じたという。 朝日新聞をこれを「輿石幹事長との決別」と書いている。 私はかねてから輿石幹事長の言動を批判して来た。 政策について一切語ることなく、党内融和という言葉を繰り返して 民主党政権の生き残りだけを考える輿石幹事長。 そうすることによっていまや権力を握った労組のために政治を私物化 する古い政治家の輿石幹事長。 およそ相容れない野田執行部と小沢一郎を取り持つふりをして権限を 行使する輿石幹事長。 そんな輿石幹事長とは早く決別すべきだと思ってきた私にとっては、 この小沢氏の対応は歓迎すべきことだ。 しかし、私は朝日が書くように小沢一郎が輿石幹事長と決別したとは 思っていない。今の小沢一郎にとっては無理に敵をつくることは得策で ないと考えるからだ。闘いに勝つこと、すなわち政権を取る事を最優先 し、使えるものはすべて使えばいいと思うからだ。 しかし小沢一郎が輿石幹事長に全幅の信用を置いていない事が明らか になった意味は大きい。 三番目に私が注目したのは離党届に署名した50余人という数だ。 それは野田陣営やメディアの予想以上に大きい数だと思う。 しかもこれは衆院議員だけである。参院議員を含めると70人ほど になるという。 この数は今後どんどんと減ってくるというメディアの喧伝にも関わ らず、増えていくのではないか。 メディアもそれを知って警戒してるのではないか。 なぜならば野田民主党政権の政策があまりにも酷いからだ。 自民党との大連立が進めば進むほど、国民は反発するからだ。 いや、野田政権と自民党との関係さえもこれからどうなるかわから ない。 まさしく政局は流動化していくに違いない。 そしてそれは小沢一郎に有利に働く。 野田首相はこれからますます追い込まれていく。 小沢新党に対する国民の期待はますます高まっていく。 国策裁判に続いて夫婦間のスキャンダルまで出して小沢つぶしが 行なわれている中で、なお小沢一郎が反転攻勢に出る。 さすがに野田執行部もメディアも慌てているに違いない。 今後の小沢一郎の唯一、最大の課題は、国民的支持をどこまで広げ られるかである。 これについて私は進言してきた。 支配体制を打破する反権力の象徴になって国民一揆の先頭に立てと。 この言葉ゆえに私は小沢側近から疎んじられた。 過激すぎると。 しかし小沢一郎はいまこそ権力との最後の闘いを闘う時である。 そう思いながら小沢一郎自身の出方に注目している。 了 ──────────────────────────────── 6月30日(土)に【天木×植草リアルタイム時事対談】第6弾生配信が決ま りました。 30日の時事対談は特別企画として、ライブ配信を一般公開し、メール マガジン読者以外の方も無料で視聴できます。 (※アーカイブ動画は後日、有料で配信予定) ■天木×植草リアルタイム時事対談 http://foomii.com/files/interview/nightlive2012/ ●出演:天木直人(元外交官)、植草一秀(政治経済学者) ●配信日時:2012年6月30日(土曜日) 20時00分~21時00分放送予定 ※今回は配信時間がいつもと異なります。 20時から配信予定ですのでご注意ください。 対談では、強引に消費税増税につきすすむ政府・民主党と、それに反対 する小沢グループの攻防を中心に、今後の政局をズバリ、大胆予測しま す。 さらに「再稼働に舵をきった大飯原発と原子力・電力行政の問題点」、 「欧州債務危機と世界の経済金融情勢の今後」、「中東(シリア、エジ プト)情勢」について時間の許すかぎり徹底討論を行います。 今回も視聴者の皆さまからの質問を事前に募集します。 (時間の関係上、回答できる数は限られております。ご了承下さい。) ■質問はこちらから ⇒ http://enq-maker.com/cx5BJt0 アーカイブ配信動画は、後日、動画配信記事として有料(315円)で販 売する予定です。なお、これまでのアーカイブ動画はこちらからご購入 いただけます。 ◎サタデーナイトライブ:小沢一郎氏の復権はあるのか http://foomii.com/00057/2012052815000010123 (2012/05/26 放送分) ◎サタデーナイトライブ:小沢一郎氏裁判とはなんだったのか http://foomii.com/00057/201205021000009693 (2012/04/28 放送分) ◎サタデーナイトライブ:消費税増税のゆくえと今後の政局 http://foomii.com/00057/201203242200009024 (2012/03/24 放送分) ◎サタデーナイトライブ:日本はどこまで米国に支配されているのか http://foomii.com/00057/201202271900008548 (2012/02/27 放送分) 記事をご購入いただければ、アーカイブのURLとパスワードが記載され たメルマガが届きます。アーカイブページにアクセス後、メルマガ内に 記載しているパスワードを入力してご視聴ください。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)