□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年6月13日第452号 ■ ============================================================== 小沢一郎と大江健三郎が脱原発で意気投合する歴史的瞬間(報告) ============================================================== たった今東京から帰ってこの報告を書いている。 結論から言えば小沢一郎と大江健三郎が意気投合する歴史的瞬間は実現 しなかった。 その模様と私の所感を書いて読者のご報告とさせていただきたい。 冒頭、この集会を企画した国会議員(近藤昭一議員)から大江健三郎氏 は会場までは来られたが、所用ができてメッセージを託されて帰られたと いう報告があった。 その本当の理由はわからないがその時点で小沢一郎氏との意気投合の 場面はなくなった。 それでも内橋、澤地、鎌田氏などはそろっていた。それぞれ素晴らしい スピーチをした。 もし小沢一郎が出席すれば十分に意味はあったと思うが、結局小沢一郎 も現れなかった。 その意味で私の期待は見事に裏切られる結果に終わった。 しかし私が失望した本当の理由は別のところにある。 やはりこの集会が私が懸念していたものであったのである。 すなわちこの集会を企画した国会議員が民主党の菅直人グループで あったことからもわかるように、この集会は菅直人の宣伝のような集会 であった。 有識者の素晴らしい説明の後に真っ先に司会者が指名したのは菅直人 であり、そこで菅直人が長々と演説をした。 その演説で驚いたのは、菅直人は自分は変わった、いまやはっきりと 脱原発に目覚めたなどと話し、そして内橋克人が放射能汚染のツケを将来 の世代にまわすなと語った事を受けて、何をトチ狂ったのか、自分も初孫 が出来てその思いを共有できるなどといった私事を述べ皆を白けさせた。 辻元清美も早々と会場に姿を見せ、私を白けさせた。前原についたり、 森喜朗についたり、脱原発の菅直人についたりと、その節操のなさは うんざりだ。 社民党の国会議員はほとんど全員が出席し、会場の手伝いをしている人 たちも私が平和集会で呼ばれた時に見かけた人たちが目立った。 菅直人グループと社民党中心の集まりという印象がぬぐえなかった。 有識者の中には落合恵子がいて彼女がまた長々と自己宣伝のような話を した。 このような人たちが顔を出す脱原発はとても国民に広がらないという 印象を受けた。 以上が負の側面である。 しかし勇気づけられた面もあった。 出席した国会議員は菅グループや社民党政治家だけではなかった。 共産党の議員も小沢グループの議員もそして有田芳生氏や亀井亜紀子さん などもいて、それぞれが脱原発の思いを熱く語っていた。 そこに超党派の流れに発展してゆく希望を見出した。 そして最後に小沢一郎が出席しなかったことについての私の感想を述べ て見たい。 私は人づてに聞いた。 小沢グループの中には左翼系の集まりに警戒的な者たちがいて最初から この集会に懐疑的だったようだ。 そして彼らの中の私の評価は、左翼的過ぎる、過激すぎる、という低い ものであるという。 そういう者たちの進言が影響して小沢一郎の出席は実現しなかったの だろうと思う。 また小沢系のある人によれば、小沢一郎の動向はいま権力側から監視 の只中にあって、少しでも野田政権打倒をうかがわせる言動には細心の 注意を払っているという。 そのことが小沢一郎の出席を妨げたのではないか。 わからないではない。 私のように失うものがない者と、天下取りをうかがう政治家とは考え が違うのは当然だ。 しかし、それらすべてを勘案しても、やはり私は小沢一郎は姿をみせた ほうが良かったと思っている。 小沢一郎が復権するには幅広い国民の支持が不可欠だと思うからだ。 しかしおそらく小沢一郎という政治家は、国民一揆という考えはとら ない政治家なのかもしれない。 私と小沢一郎の考え方の違いはこれからも出てくるかもしれない。 それでも私は小沢一郎に一度は政権を取らせてみたいと思っている。 なんだかきょうは疲れた一日だった。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)