□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年5月26日第409号 ■ ============================================================== 世界を動かすオランド仏大統領に注目する ============================================================== いまから思えば仏大統領選挙におけるオランド大統領の勝利は 当時報道されていた以上に大きな意味があったということだ。 先般のサミットの主役は議長役のオバマ大統領ではなくオランド仏 大統領であった。 これまでの財政再建一辺倒から、雇用安定を含めた労働者の生活安定 こそ国内経済活性化の基盤だと訴え、それをサミット首脳は受け入れ ざるを得なかった。 アフガン撤退を敢然と主張したオランド大統領がNATO首脳会議の アフガン撤退を決定付けた。 メルケル首相のドイツもまた政策変更を強いられようとしている。 世界の潮目は変化しようとしているのだ。 経済政策も安全保障政策もなにもかも対米従属一直線に走る野田政権 とそれを支えるメディアはその事を書かない。 しかし今後のオランド仏大統領の言動から目が話せない。 しかし凄いのはオランド大統領ではない。 それを選んだフランス国民である。 その事を見事に語った記事を5月25日の読売新聞に見つけた。 三井美奈パリ支局長が書いていた。 オランド大統領のファーストレディであるバレリーさんは事実婚の パートナーである。 それを公然と認めるオランド大統領は凄い。 しかし私がもっと凄いのはフランス国民だ。 79%が「問題なし」と考えているというのだ。 それより興味深いのはファーストレディの凄さだ。 少女時代、主婦だった母が買い物のたびに「お金を下さい」と父に 頼むのを見て育ち、「私はこうなりたくない」と決意したという。 2度の離婚歴があり前夫との間に3人の子供がいるが、「子供の 養育費は自分で稼ぎたい」とインタビューで答えたという。 ソルボンヌ大学で修士号を取得した後、写真誌パリ・マッチの 政治記者となってそこでオランド氏と知り合ったという。 そのバレリーさんが今後もジャーナリストの仕事を続けるという。 そして大統領選挙を追った新著を近く出版するという。 国の最高機密保持者のパートナーが記事を書き続けることへの 適否論はあるだろう。 しかしオランド氏はそんなバレリーさんの新著に序文を書いて 応援するという。 そしてフランス国民の70%はバレリーさんが仕事を続けたら いいじゃないかと認めているという。 世の中を変えるのは国民である。 政治をつくり変えるのは国民の政治意識だ。 フランス国民がオランド大統領を選び、そのオランド大統領が 世界の流れを変えようとしているのである。 了 ─────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)