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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

慰安婦問題から逃げ続ける野田首相と外務官僚(続)
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年5月11日第371号 ■   ==============================================================   慰安婦問題から逃げ続ける野田首相と外務官僚(続)   ==============================================================  私は5月9日のメルマガ第366号で書いた。慰安婦の碑をソウルの 日本大使館や米国につくる事を日本の政治が放置してはいけない、と。  そのためにも過去のあやまりを国家として謝罪、清算し、以降再び この問題が中国や韓国との政治的駆け引きに利用される余地を残さない よう国家間の合意にする、それが未来の世代に対する我々の責任である と書いた。  そのメルマガに対し読者から次のようなメールが届いた。  自分はそうは思わない。日本の過ちは未来永劫忘れ去ってはいけない。  そのためにも、慰安婦の碑を残し、日本の原罪に対する罪を末代まで 想起させ続けるべきだ、と。  私はこのようなメールを受け取ると心底悲しくなる。  このような考えが日本国民の多数意見とは思わない。  しかし、程度の差こそあれ私の書いた事に違和感を覚える読者がいる ことを私は知っている。  その一方で産経新聞のように慰安婦問題など無かったと主張し続ける 読者もまた私のメルマガの読者である。  事ほどさように慰安婦問題は難しい問題である。  だからこそこの国の指導者が政治生命を賭けて取り組むに値する 一大政治課題なのである。  その産経新聞が5月11日の紙面でスクープ報道していた。  米国ニュージャージー州パリセイズパーク市の公立図書館に慰安婦の 碑が建立され波紋を広げている、と。  自民党の有志議員団が5月6日に訪れて、記述内容は事実無根として 撤去を求めたが市側は「歴史の事実」などと撤去要求を拒否したという。  私がその産経新聞の記事で注目したのは、パリセイズパーク市の人口 の約542%を韓国系米国人が占めていると報じられていることだ。  この碑が「韓国系米国人有権者評議会」の支援で建てられたという ことだ。  そしてこの評議会こそかつて安倍政権の末期の07年7月に米下院が 慰安婦に関する対日非難決議を採択した時、それを後押ししたロビー 団体であるということだ。  慰安婦の碑の問題は、もはや単に人道上の問題にとどまらず極めて 政治的、外交的な問題となっているのである。  私がこの産経新聞の記事でもっとも注目したことは、野田首相がこの 問題を取り上げた山谷えり子議員の質問(3月の参院予算委員会)に 対し、「(慰安婦の碑に書かれている)数値や経緯を含め根拠がない のではないか」と迎合的に答えていたという事実だ。  それにも関わらず本件には何の対応もとろうとしなかった。  その一方で慰安婦問題に対する謝罪や国家間の解決に対しても およそ冷淡で不誠実であり続けた。  要するに自らの考えや、慰安婦問題に対する解決方法を語らず、 逃げているのである。  野田首相は12日より北京で日中韓首脳会談に臨むという。  その目的は日中韓FTA交渉開始についての合意であるという。  しかし韓国は日本とのFTA交渉参加には慎重であり先行きは 不透明だという(5月11日毎日)。  そうであればいっそ韓国大統領との首脳会談で慰安婦問題を語った らどうか。  しかし、野田首相も外務官僚も、それをあえて議題にしないように 手を打っていることは既にこのメルマガでも書いた。  消費税増税などという財務官僚がやることに命をかけて、政治家が 決断すべき困難な問題から逃げ続ける。  そんな野田首相が官僚のいうままにどんどんとこの国の将来を 左右する問題を急いで片づけようとしている。  それを抑止する政治勢力はない。  事態は深刻である。                             了 ─────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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