□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年5月9日第364号 ■ ============================================================== 米国の政治日程が迫る一日も早いポスト野田体制構築の必要性 ============================================================== 連休明けに発売された新聞、週刊誌、雑誌の政治記事を出来る限り 読んでみた。 そしてつくづく実感させられた。 野田政権はほぼ終わったことは確実だ。 しかしポスト野田体制についての日本の政治状況を誰も予測ができ ないでいる。 皮肉なことに、政権浮揚のテコと目論んだ米国公式訪問を終えた途端 に、野田首相の政治生命は尽きたようだ。 その象徴が野田訪米に対する米国メディアの酷評である。 訪米直前にはベタ褒めしていた米ワシントンポスト紙が、日米首脳 会談の中味の無さをこき下ろし、他の米紙も無視、もしくは軽視した (5月9日日刊ゲンダイ)。 きわめつけはきょう(5月9日)の日経新聞に掲載されていた ケント・カルダー元駐日米大使特別補佐官のインタビュー記事だ。 その中でカルダー氏は明確に米国の見方を述べている。 世論調査で野田内閣の支持率が上がらなければ選挙にならざるを 得ない。しかし消費税増税を決められないまま選挙になると米政府の 想定とは違った展開になると。 私が注目したのはその後に続くカルダー氏の次の言葉だ。 「・・・米政治にとって2013年は極めて重要な年になる。 オバマ大統領が再選されれば3-9月、ロムニー前マサチューセッツ 知事が大統領になれば6-12月の時期に米政府内部で人事や政策の 基本が固まる・・・その時期(具体的には来年8月まで日本の政治が 混乱していたら、日本は米国と政策などで協調する重要な機会を失う ことになる・・・」 これは物凄いメッセージなのである。 この言葉は単なる日本に対する脅しではない。 実際のところ米国の政治が今度の大統領選挙で大きく変わることは 米国の政治を少しでも知っている者なら容易に理解できることだ。 だからカルダー氏の意見は日本にとって極めて貴重な助言と捕らえる べきなのだ。 そして日本の政治家は、保身や私益を捨てて、米国の新政権より一足 先に、政治主導を発揮できる強固で安定した新しい政治体制をつくろう と努力しなければならない。 日本国民の暮らしと安全を守るために米国の新政権と国益をぶつけ 合う正しい外交ができる態勢を整えておく必要があるのである。 言い換えれば、輿石幹事長が目論んでいるように、消費税増税法案を 先延ばしし、何も決められままに、出来るだけ長く、来年7月の衆参 ダブル選挙や、あわよくば来年9月の任期満了まで民主党政権が続く ようでは、対米外交は今度こそ固定化していくということだ。 こころある日本の政治家は、このケント・カルダー氏のメッセージを 深刻に受け止め、選挙や政界再編を急いで、米国よりも一足早く、国民 の支持を受けた強固で安定した政治主導の政権をつくらなければなら ないということである。 了 お知らせ ●サタデーナイトライブ 天木×植草の時事対談 小沢一郎氏裁判とはなんだったのか http://foomii.com/00057/201205021000009693 【販売価格:315円(税込)】 ダイジェストはこちら ⇒ http://bit.ly/JnSJxP 次回の時事対談のライブ配信は、5月26日を予定しています。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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