□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年4月19日第320号 ■ ========================================================= 米国の軍事費負担を飲まされるために訪米する野田首相 ======================================================== 4月29日から行われる野田首相の訪米は民主党政権になって はじめての公式訪問であるという。 何を言い出すかわからない鳩山首相や、市民団体出身を売り物に するような左翼もどきの菅首相などは公式訪問に値しないといわん ばかりだ。 官僚、財界との関係を重視する自称親米保守の野田だけは公式 訪問させてやってもいい、そのかわり従わせる、ということだ。 しかし、公式訪問は野田首相や外務官僚たちにはありがたい「名誉」 なのかもしれないが、日本国民にとっては何もいい事は無い。 公式訪問をさせてもらう見返りはなにか。 それは日米同盟の深化を約束させられることだ。 日米同盟の深化とはなにか。 それは米国の軍事政策(テロとの戦い、対中国包囲網)に協力させら れることだ。 日本を守るという日米安保体制を捨てて米国の戦争に協力することだ。 そして、日米安保体制が日米同盟体制に様変わりしても、決して変わ らない事がある。 それは米国の軍事予算を肩代わりさせられることだ。 今度の野田首相の公式訪問の最大の見返りはグアム移転経費の増額を 約束させられてくることである。 それを今日(4月19日)の各紙が一斉に報じている。 小泉元首相が原則合意し、その後の自民党政権が協定の形で確約した 日本側財政負担額28億ドルがあっさりと野田首相の下で31億ドルに 増額させられる、と。 沖縄の米海兵隊のグアム移転数が大幅に減るにもかかわらず日本の 負担額が増えるのだ。 二重の意味で負担増だ。 こんな馬鹿な事が許されるのか。 もちろん許されない。国民に対して説明がつかないからだ。 そこで何が行われるか。ごまかしである。 そのごまかしをもっとも巧妙に説明しているのが4月19日の朝日だ。 倉重奈苗という記者が書いている。 日本側の負担は増えない。米側は28億ドルから41億ドルへ増額要求 をしてきたが日本側は従来の上限28億ドルを維持することにした、と。 ただし金額は明記しない事になった、と。 なんじゃこれは。 その裏で様々な小細工が日米の官僚の間で講じられることになる。 その一端を19日の各紙が報じている。 28億ドルはその後の物価上昇分を考えると31億ドルになると。 グアム移転経費だけに限ると従来どおりだが、グアム周辺基地(テニアン など)の施設整備費を加えると増額になる(読売)、と。 政府の直接負担は増額しても国際協力銀行(奥田碩総裁)の出資・融資 額をゼロにして全体として大幅増額にならないようにバランスをとる (毎日)、と。 いかにも官僚が考えそうなごまかしだ。 国民にはわけのわからないように仕組まれるのだ。 国民の知らないところで再び日米密約が繰り返されるということだ。 膨大な財政赤字を抱えて軍事費削減を余儀なくされている米国にとって 日本からの増額負担要求は譲歩できない要求だ。 その事を朝日のその記事はこう書いている。 キャンベル氏やルース大使ら米国要人からの催促は「日本流に言えば恫喝」 (首相周辺)だ、と。 その一方で消費税増税や社会保障費負担を国民に迫る野田政権にとって 負担増は国民に対して説明がつかない。 その結果国民にうそをつく。 沖縄密約と同じ構図だ。 そんな野田首相の公式訪米を阻止しようという声が政治の中で一切起こら ない。 メディアが誰一人として書かない。 国民はまったく気づかない。声をあげない。 日本はもはや完全に脱力状態になってしまったかのようだ。 なんとかしなくてはいけないと思う。 了 ──────────────────────────────── 配信会社フーミーからのお知らせ メルマガ「反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説」 をご愛読のみなさまにfoomiiよりお知らせです。 4月28日(土)に【天木×植草リアルタイム時事対談】第4弾リアル タイム配信が次のように決まりました。 ■天木×植草リアルタイム時事対談 http://foomii.com/files/interview/nightlive2012/ ●出演:天木直人(元外交官)、植草一秀(政治経済学者) ●配信日時:2012年4月28日(土曜日) 19時00分~20時30分放送予定 今回は判決が下された(4月26日)直後の対談でもあり「小沢 一郎氏裁判」とは何だったのかについて90分間徹底討論します。 また、今回は視聴者のみなさんからの質問を事前に募集、対談中にお ふたりが直接回答します。(時間の関係上、回答できる数は限られて います。ご了承下さい。) ■質問はこちらから ⇒ http://enq-maker.com/bjjBmmY 本有料メールマガジン読者さまは「リアルタイム時事対談」ナマ配信を 無料で視聴いただけます。ナマ配信の視聴方法につきましては、28日当 日に有料メールマガジンでご案内します。 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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