□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年3月27日第250号 ■ ========================================================= 米国はとうの昔に知っていた北朝鮮のミサイル発射方針 ======================================================== 我々は米国・中国と北朝鮮の芝居に踊らされているのではないか。 誰も指摘しないが、そう思わざるを得ないスクープ記事が報道されて いた。 3月25日の読売新聞がワシントン発山口香子記者の記事として要旨 次のように報じていた。 エバンス・リビア元米国務次官補代理が米調査研究機関のウェブ サイトに次のように寄稿していた、と。 すなわち、昨年12月15日に北朝鮮政府の高官とニューヨーク で接触した際、北朝鮮側から人工衛星と称するミサイルを打ち上げる と告げられた。 その接触から3日後の12月18日夜(米国時間)、金正日総書記 の死亡が発表された。 発射計画は金総書記自身の決定だった可能性が高く、後継者の金 正恩は「決定を覆す立場にはない」ので発射は避けられないだろう、と そしてこれらの情報をオバマ大統領はとっくに知っていた、と。 これが事実だとしたら今回の北朝鮮のミサイル発射騒動は一体なんだ、 ということになる。 リビア氏が嘘の情報を米調査研究機関のウェブサイトに寄稿するとは とても思えない。 繰り返して言う。 米国はすでに昨年12月の時点で北朝鮮側からミサイル発射の計画を 知らされていたのだ。 それを知っていた上で、米国は北朝鮮との交渉を行っていたことを 我々は知っている。 その交渉は最近まで続き、今度の衛星発射計画が騒がれる前までは 米国が北朝鮮に食糧援助を行うほど話し合いは進んでいたと報道されて いたのではなかったか。 米国が北朝鮮から衛星発射計画を伝えられていたということは、中国 はもちろん知らされている。 日本の報道は今度の核テロサミットで異例の北朝鮮包囲網が合意された とそればかりを強調している。 中国は異例の停止要求を北朝鮮に対して行った、米国と中国は北朝鮮 に停止を求めることで一致した、などとさかんに報じている。 しかし北朝鮮はやけに静かである。 中国はもとより、米国でさえもどことなく冷静である。 すべてはシナリオが出来ているのではないか。 北朝鮮が衛星発射を停止することになれば一気に北朝鮮の評価が 好転する。 たとえ北朝鮮が衛星発射を強行しても、その後に続く核実験を停止 する約束が北朝鮮と米中で行われているのであればうなずける。 ましてや北朝鮮が核兵器のイラン、テロへの移転を行わないと約束 しているのなら米国の目的は達成される。 日本は何も知らされないままにひとり大騒ぎをしているのではないか。 そう思わせる読売新聞のスクープ記事である。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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