□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年3月22日第232号 ■ ========================================================= トヨタと愛知県が結託して一市民をいじめる現実 ======================================================== 権力者の不正義を知ると怒りを抱かずにはいられない私であるが、 このニュースを知って私の怒りは頂点に達した。 発売中のフライデー3月30日号が教えてくれた。 愛知県や岡崎市の職員が、3年前から東京在住の会社員Aさんに 所有地を売ってくれと迫っているという。 その所有地は祖父から譲り受けた岡崎市内の土地。いのししが 泥あそびをする水溜りがあるほどの大自然に囲まれた豊な里山で あるという。 「売らない」と答えたら、3ヶ月後に名古屋地裁から訴状が届い たという。原告は愛知県だという。 なぜかと言えばその土地はトヨタ自動車のテストコース建設予定 地内にあるからだ。 山は削られ、谷は埋められ、東京ドーム58個分にあたる里山が 姿を消そうとしている。 実は20年ほど前にトヨタがその土地を買収してテストコースを つくろうとしたが住民の反対で断念。 今度は愛知県が代わって用地買収をはじめたという。 トヨタによる用地買収であれば住民は売却に応じない。そこで 愛知県はこれを「公共事業」と位置づけることで取り上げようと した。 お上には逆らえないと地主748人はみな買収に応じ、売却を 拒んでいるのはAさん一人となった。 そのAさんが、祖父から譲り受けた土地だから売りたくないと 拒否したら訴えられたというのだ。 これほどの不正義、弱いものいじめがあるだろうか。 一企業に過ぎないトヨタのテストコース建設のために、個人を 訴えてまでして里山をつぶすことにどれだけの公共性があるという のか。 しかも壮大な環境破壊だ。 さらに驚くのは、用地買収・造成事業担当の県企業庁の職員39名 の給与と事務費はトヨタが支払っているという。 不況下でも数十億円の法人市民税を納めるトヨタの存在は大きい。 しかしここまで「奉仕」する自治体のあり方は尋常ではない、とその フライデーの記事は書いている。 フライデーが書くまでもなく、これは大事件だ。 こんな事がなぜこれまで大手メディアで報道されてこなかったのか。 第一審で愛知県に敗北したAさんは弁護士をつけて控訴。2月末 から名古屋高裁で控訴審が始まるという。 ということは名古屋地裁は豊田市、トヨタ側についたということだ。 企業・行政・大手メディアがもたれあって不正義を培養するこの国 の縮図のような事件だ。 怒りを通り越して暗澹たる思いになる。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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