□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年3月18日第219号 ■ ========================================================= 玄侑宗久氏が語った復興構想会議の実態と玄侑氏の自己撞着 ======================================================== いまから思えば、大震災が起きてまもなくして菅民主党政権の 諮問会議としてつくられた有識者による復興構想会議とは一体何 だったのだろうかと思う。 あの時の議論や政策提言が、その後どのような形で今の政府の 政策に取り入れられ、政策として活かされたというのか。 その検証が国民の前でなされたのだろうか。 忘れかけていたその復興構想会議の事を思い出させてくれた記事 を見つけた。 3月17日の東京新聞に僧侶で芥川賞受賞の作家である玄侑宗久 (げんゆう・そうきゅう)氏が「ニッポンの女子力」と題する随筆 の中で要旨次のように書いている。 すこし長くなるが引用してみたい。 「・・・私は昨年4月、当時の菅直人首相から要請を受けて東日本 大震災の『復興構想会議』の委員を引き受けました・・・4月の第一 回会議で、議長が『原発は議題にしない』との趣旨の発言をして、 『何?』と驚きました。私をはじめ多くの委員が反対。結局議題に 取り入れることになりましたが、私が何か意見を言うと『ご説明した い』と後で各省庁から呼び出されました・・・13回開かれた会議は、 2月に発足した『復興庁』とともに、廃止に。今後の見通しが知らさ れないまま、『お役御免』の封書が届きました。新たにできた復興 推進委員会は、議長副議長、は横滑りをしましたが、私を含め多くの 委員が省かれた。『こんなやりにくい連中とはやっていられない』と いうことでしょう。 私は残りの半生を復興構想会議に捧げる覚悟で したが・・・」 およそ政府がつくる諮問会議とか有識者会議の現実はこの通りなの である。 そこに招かれる有識者たちは五百旗頭議長のように官僚と親和的な 者が取り仕切って首相が変わっても重用され、その功績で勲章まで 貰う。その一方で異論を持つ者たちが目くらましのようにメンバーに ちりばめられ、その意見が取り入れられる事無なく、ご苦労様と いう事で終わる。 それを恨んでみてもはじまらない。それが官僚支配とそれを許すこの 国の政権の現実なのだ。 恨むのであれば、復興構想会議を立ち上げ、その人選を了承した菅 首相であるべきなのだ。 五百旗頭氏を議長として迎え入れ、復興構想会議の方向性について 指導力を発揮することなく官僚に丸投げし、首相を退けば後は知った ことかと無責任を決め込む。 およそ政治主導とは正反対のこのような政治家が民主党政権を担って きたからこそ大震災・原発事故の復興が遅れ、今日の混迷がもたらされ たのである。 そして私がこの玄侑氏の随筆の中でもっとも驚き残念に思って読んだ のがこの随筆の最後に書かれていた次のくだりだ。 「・・・未だに福島が危険だと思う人たちがいて、場内外で分断が 生まれています。再建するコミュニティーに戻るか戻らないか。『福島 産』を食べるか食べないか。特に反原発運動の中心になった母親たちが 過敏に反応しています・・・女性は命に敏感で、『理屈じゃない』と目 覚めると強い。ただ、『情』は力になる一方、危うさも伴います・・・ 放射能の問題は理屈で考えるべきです・・・自分の価値観を信じ込むの ではなく、ぶれたほうがいい。同じ考えの人で集まらずに、別の知識を 持つ人や反対意見にも耳を傾ける。見えない、臭いがしない、ある意味 『バーチャル』な放射能と向き合うには、冷静さと理屈が必要です・・」 驚いた。 脱原発の菅首相が選び、官僚から排除されたと文句をいう玄侑氏が 反原発の女性たちを理屈じゃない危うさがあると批判しているのだ。 分断されているという玄侑氏が分断しているのだ。 原発事故によってさえも変わることが出来なかった日本は果たして このままどこへ向かうのだろうか。 事態は深刻である。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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