□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年3月12日第200号 ■ ========================================================= 追悼は終わった。いまこそ我々は「東北の鬼」となって怒りを燃やせ ======================================================== 全国民が厳粛な気持ちで黙祷を捧げた一年後のきのう。 それが無事終わった。 メディアがすべての言論を停止し、哀悼と追悼に終始した。 それが無事終わった。 いまこそ我々は「東北の鬼」となって怒りを燃やす時だ。 追悼一色のきょう3月12日の各紙のなかで小さく報じられて いた事がある。 それは国内各地や世界で開かれた脱原発集会である。 それは原発廃止を求める集会であるとともに、原発事故処理に 無力な日本政府に対する抗議でもある。 追悼と哀悼が終わったいまこそ我々は政府に強く迫る時だ。 狙い済ましたように野田首相は瓦礫受け入れを各都道府県に受け 入れるよう命令を下した。 これは神奈川県の黒岩知事が野田首相に申し入れた時に決まった のだ。 国や知事がここまでやろうとしているのに住民の反対で動かない。 かくなるうえは国が権力を発動して受け入れさせる他はない、と。 悪いのは受け入れ拒否を拒む住民ではない。 放射能汚染の怖さを正しく伝えず、その対応についての正しい政策 を作れず、いたずらに住民を不安に陥れたまま一年を浪費した、政府・ 官僚の無策なのだ。 その無策を覆い隠すかのように、住民は利己主義だといわんばかり の風潮を煽る。 私の手元に一冊の本が送られてきた。 「福島からあなたへ」(大月書店)という本だ。 昨年9月19日に明治公園で6万人を集めた「さようなら原発集会」 で演説した一人、武藤類子さんの言葉に、写真家森住卓氏の写真が収め られている。 あの時武藤さんは訴えた。 私たちは捨てられているのではないか、と。 事故はまだ何も終わっていないのだと。 私たちはいま静かに怒りを燃やす東北の鬼だ、と。 追悼一色の時に、脱原発デモを起こす事はつらい。 自らを鬼と呼称する事は尋常ではない。 しかしそのつらい事をしなければ政府は動かない。 福島県民らは尋常ならざる状態に放置され続けているのだ。 尋常な状況におかれ続けているのは福島県民だけではない。 沖縄県民もそうだ。 日々の暮らしに苦しめられている多くの国民もそうだ。 いまこそ国民が一体になってこの国の為政者たちに、国民の生存権 を守ることこそすべてに優先されるべき事を迫らなければならない。 その事こそが、3・11の一周年をきっかけに我々が思い起こす事 である。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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