□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年2月15日第128号 ■ ========================================================= 韓国と日本の対米外交の違い ======================================================== 2月15日の毎日新聞は外交面で大きく報じた。 韓国野党は、李明博大統領が推進する米韓FTAの破棄を 選挙公約に掲げるようになったと。 すなわち韓国の最大野党・民主統合党の韓明淑(ハンミョンスク) 代表は8日、米韓FTAが野党側の要求にそって修正されない限り 総選挙(4月)と大統領選挙(11月)による政権交代によって 米韓FTAを破棄すると述べたというのだ。 ついにここまで来たのだ。 思えば昨年10月、米韓FTAの推進と米韓軍事同盟重視を掲げ る李明博大統領が国賓待遇で訪米した時、日本の報道は普天間問題と TPPでもたつく野田首相と比較して羨ましく報じた。 何をモタモタしているのだ。政権交代によって日米同盟関係が揺 らぐ事があってはならないなどと報じた。 とんでもない間違いだ。 政権交代が起きれば国の方針が変わる事は世界で当たり前のよう に行なわれている。 対米関係よりも民意が優先される事は当然だ。 それが政権交代だ。 もし韓国で来年11月にも政権交代が起きれば韓国でも対米関係 が見直されることになる。 実際のところこれまでも政権交代が起きるたびに韓国の外交は大き く振れた。 しかしそれで韓国という国が行き詰まったわけではない。 韓国国民が精神分裂を来たしたという事ではない。 その時々の国際情勢、国内状況に応じた国民の選択なのである。 対米関係は日本の安全保障政策の根幹であるから政権交代が起きて もそれが変わっては大変だという論調が当然のように語られる日本が 異常なのだ。 国民の意思が軽んじられているのだ。 政権交代が起きれば外交そのものも見直される、それが当たり前だと いう事を我々は隣国である韓国から学ばなくてはならない。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)