□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年2月9日第110号 ■ ========================================================= 日米共同報道発表が決める日本の命運 ======================================================== 何から何まで私が書いてきた通りの展開になった。 いや、想像していた以上の背信が行なわれていたこともわかった。 今度のシナリオは防衛省をすっ飛ばして外務官僚が米側と結託 して進めていたことが明らかになった。 そしてそれは野田首相自身が認めたものであったのだ。 野田首相は「柔軟に対応する」という言葉をここに来てさかんに 使うようになった。 つまり外務省と国務省主導で行き詰まった普天間問題を打開する ほうが話が「柔軟に」進む。それで話をすすめればいい、と。 玄葉外相がはしゃぐ理由がそこにある。 田中直紀という叩かれ役の人物をわざわざ防衛相につけた謎が 解ける。 これは普天間問題で行き詰まった野田政権を助けるための外務 官僚の姑息な入れ知恵であり、それに野田首相が飛びついたわけだ。 米国にとっては失うものはない。それどころか得るものばかりだ。 もともとパッケージとは米国が日本を脅すために使った戦略 だった。 沖縄の海兵隊を移転させて欲しければグアム基地建設強化の予算 をだせ。 海兵隊とは関係のないもっと大きくて性能のいい代替替飛行場を 辺野古につくれ。 それをしなければ海兵隊は減らさないぞ、現状が固定化されるぞ、 すべをチャラにするぞ、これである。 ところが、米国の財政的都合で米国みずからその国防政策を変更 せざるを得なくなった。 なにしろ議会が強制的に国防予算を削減すると決めたからだ。 在沖縄海兵隊の負担を他の同盟国にも分担させなければならなく なった。 日本の予算でつくろうとしたグアムの米軍基地建設が米国の分担 分さえも払えなくなった。 メドのたたないアフガンやイラクから撤退し、それよりもアジア の軍事大国になりつつある中国を牽制すべきだということになった。 グアム移転切り離しは渡りに船なのだ。 この話は突然でてきたものではない。 辺野古移転のもたつきに米国がしびれを切らしたのでもない。 米側の変化は米国側の事情でとっくに明らかにされてきた。 それにも関わらず「日米合意は変わらない」と国民にウソをつき ながら、その実、官僚主導で水面下の談合が米国側と行なわれて いたのだ。 なぜそれがここに来て突然表面化したのか。 それは米国が2月13日に来年度予算を発表にあわせて発表する からだ。 隠し続ける事ができなくなったからだ。 しかもそれが予定よりはやくメディアに流れた。国内が騒ぎ出 した。 そうであるならばその混乱のドサクサにまぎれて早く発表して しまえ、どうせ国民は何も分からないだろう。海兵隊を沖縄から 移転させる事を先行させた、と強調すれば沖縄負担軽減だとなる。 文句はあるか。メディアと一緒になってそう言えばそうだという ことになる。おまけに政局は消費税増税ばかりにかまけている。 これである。 それを見事に象徴しているのが今回の発表振りである。 前置きがながくなったが、これがきょうのメルマガのハイライト である。 私が最も強調したい事である。 国民にきづいてもらいたいところである。 今度の発表は在日米軍再編の最終合意ではない。 あくまでも報道発表なのだ。 新聞各紙を注意して見るがいい。 「在日米軍再編見直し日米共同文書」となっている。 決して政府間の合意ではない。 合意であれば協定か共同声明でなければならない。 共同声明であれば両国の首脳や外相が共同記者会見を開いて 高らかに宣言するはずだ。 しかし今度の共同発表は日米共同の報道発表文書なのである。 そうはっきり書いている新聞もあるくらいだ。 ところが現実はこの報道発表が一人歩きして事実上の合意の ように思い込まされている。 報道発表が政府合意になるのだ。 無茶苦茶な話だ。 下っ端官僚がわずか2日間で決めてきた報道発表文章。 それを玄葉外相と野田首相が追認し、肝心の防衛大臣は蚊帳 の外に置かれて、あたかも合意のように報じられる。 そうして既成事実化しておいて4月の野田首相訪米の時に 正式な政府間合意となって発表される。 これがシナリオなのだ。 メディアはそれを知りながらその欺瞞を正面から書かないのだ。 共同正犯である。 しかし私は楽しみにしている。 報道発表の中身は実は何も決まっていない。 外務官僚と玄葉外相、野田首相は、これからその内容を決めて いかなければならない。 その過程ですべての矛盾が噴出してくることだろう。 こんどこそ国民はここまで対米従属でいいのか、という当たり 前の疑問にきづくことになる。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新しいコメントを追加