□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年2月8日第109号 ■ ========================================================= 自衛隊合憲は正しいのか。その根拠はどこにあるのか ======================================================== 田中直紀防衛大臣の答弁が笑い者にされている陰で、とんでも ない誤った答弁を石破茂元防衛大臣が行なっていた。 この鋭い指摘をしたのが2月8日の読売新聞だ。 調査研究本部主任研究員である勝股秀通氏の「自衛隊合憲の 根拠は」何かという記事である。 すなわち勝股氏はまず2月2日の衆院予算委員会における田中 直紀防衛相と石破茂氏とのやりとりを次のように再現する。 石破「憲法9条2項に、陸海空軍その他の戦力はこれを保持しな いと書いてある。自衛隊は何ですか」 田中「必要最小限の国を守る専守防衛の部隊」 自信なさげに答える(田中)防衛相に対し、石破氏は諭すように 2項の冒頭に「前項の目的を達成するため」と挿入した芦田修正が 自衛のための戦争を可能にし、自衛隊合憲の根拠となったと説明。 これに対し田中防衛相が「その点について私は理解していない。 先生のご知見を拝聴しながらよく理解したいと思う」と答弁して このやり取りは終わった。 この田中・石破のやり取りを説明した上で勝股氏は次のように 書く。 「誰もがこんな問答を聞けば、素人と批判される(田中)防衛相 に対し、防衛問題のスペシャリストで防衛相の先輩である石破氏 が、自衛隊合憲の根拠というイロハのイを教えていると思うだろう。 だが、それは勘違いだ。」、と。 そして勝股氏は、次のように解説する。 日本政府がこれまで芦田修正を自衛隊合憲の根拠としたことは 実は一度もなかった。そのかわり政府は、自衛隊の存在について、 「自衛権は独立国である以上、当然保有する権利。だから自衛の ために必要最小限の実力を保持することを憲法は否定していない」 と言う解釈で一貫して自衛隊を合憲してきたのだ、と。 そして、その後も憲法9条と自衛隊をめぐる解釈は、法的に も政治的にも混乱し、防衛問題のスペシャリストでさえ、自衛隊 憲の解釈を勘違いしてしまうほど、自衛隊の存在根拠は不明確で あるのだという。 そして勝股氏は結論づける。 だからこそ自衛のための戦力である自衛隊の存在を憲法で明文 化すべきである、と。 私は、この最後の結論を除いて、勝股氏の言うことにまったく 賛成である。 そして最後の結論において私は勝股氏と大きく意見を事にする。 自衛隊の矛盾は、そっくりそのままわが国の戦後の対米従属 政策の矛盾であるのだ。 すなわち憲法9条が成立した1947年当時には、自衛隊の 存在はそもそも想定されていなかった。 その後冷戦の顕在化と朝鮮戦争の勃発によって米国の政策が 大きく変わった。憲法を変えることなくそこに想定されていなか った自衛隊をつくらされたのである。 つまり自衛隊の根拠を憲法に求める事自体が矛盾しているのだ。 変えるべきは憲法ではない。 日本のすべてを決める対米従属の日米関係なのである。 日米安保体制と憲法9条の矛盾をいまこそ国民的議論によって 解決すべき時なのだ。 現実はどうか。 議論なく日米安保条約が日米同盟に変えられようとしている。 この国の対米従属が国民的議論なく固定化されようとしている。 問われるのは自衛隊の曖昧さではない。 その元凶である日米同盟深化の不透明さなのである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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