□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年2月8日第107号 ■ ========================================================= ドラマ「運命の人」に週刊誌上で抗議した渡辺恒雄 ======================================================== TBSドラマ「運命の人」をメルマガで取り上げた以上、この事 について書かないわけにはいかない。 読売グループ会長・主筆の渡辺恒雄氏がこのドラマに抗議した! という宣伝文句につられてサンデー毎日2月19日号を買い求めて 読んだ。 その要旨はこうだ。 このドラマは登場人物が特定できる。主人公である本木雅弘演じ る毎日新聞の西山太吉記者のライバルは明らかに自分(渡辺恒雄) である。自分は事実に反して悪く書かれ、演じられている。この ようなドラマは個人の人格、名誉を著しく踏みにじる行為であり、 違憲、違法だ。そのような原作を書いた山崎豊子もひどいがそれに 協力した西山君はなぜことわりの連絡を寄越さなかったのか。その 非礼を詫びよ。 一言で言えばこれが渡辺氏の抗議である。 この抗議を渡辺氏はみずからペンをとって直筆でサンデー毎日に 寄稿したという。 その熱意はかう。 そこには渡辺氏自身しか知らない貴重な情報が書かれていて 興味深いし、そこまでて書く以上、その内容にウソはないのだろう。 しかし彼は大きな勘違いをしている。 根本的なことに気づいていない。 「運命の人」は限りなく事実に近いと言ってもフィクションである。 著者山崎豊子がそのフィクションで訴えたかった事は、権力者 の国民に対する背信行為を、身を堵して国民に知らせようとして 権力に押しつぶされた一人のジャーナリストの人間のドラマである。 そのような生き方に賛同しない人たちにとっては、所詮、山崎 豊子の書くものには関心はない。評価もしない。 しかしこの世の中には「運命の人」のなかで描かれた人間とその 生き様に共感を覚える人たちが間違いなくいる。 国家権力の犯罪について憤りを感じ、自分の人生や、これまでの 人間関係さえも犠牲にする危険をおかして権力犯罪に立ち向う。 それは尋常なことではない。 そのこと自体がドラマなのだ。 そして、自分ではとてもそこまでの人生を生きることは出来ない が、人は、そういう生き様に感動するのだ。 人は、それを見事に作品にした山崎豊子に喝采を送り、それを ドラマ化した関係者や演じる者たちに拍手するのだ。 渡辺氏が名誉挽回のために週刊誌に自らの主張を書くのは自由だ。 それで怒りが収まらないのであれば、あの巨人軍のお家騒動の時 と同様に訴訟に訴えて名誉回復を行なえばいい。 しかし、そんな事は「運命の人」を感動をもって観る人たちに とってはどうでもいいことだ。 権力に迎合し、権力を利用してその地位を築いた人間は世の中に 履いて捨てるほどいる。 しかしそのような人生には何のドラマ性もない。 そのような人間の名誉毀損などについて人は関心は持たない。 渡辺氏の言い分に味方する人たちにとっても、それはどうでも いいことに違いない。 自分中心に世の中が動いていると錯覚する人間の思い上がり にはドラマ性はない。誰も関心を持たない。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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