□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年2月7日106号 ■ ========================================================= 不毛なTPP対米交渉を乗り切る正攻法 ======================================================== ワシントンで日米安保の審議官協議が行なわれている時、もう 一つの対米交渉が行なわれる。 それがTPP事前協議である。 「なかなかやっかいな交渉になりそうだ」 2月6日の毎日新聞の社説はTPP協議についての社説をそう いう言葉で書き始めている。 言われるまでもなく不毛な交渉になる。 それはTPP交渉を「開国だ」と叫んで率先して進めようと 唱えた者たちの共通の責任である。 2月7日の読売新聞は米国の対応を「高まる保護主義」と形容 している。 自由貿易を推進するはずのTPPであり、それに参加する事は 「開国」だ、まったなしだ、と言ったメディアの一つである読売 新聞は、いま米国の本音を保護主義だといい始めたのである。 TPP交渉はもはや自由貿易交渉ではないことは明らかだ。 米国の市場開放要求である。 日米貿易摩擦から始まって最後は日米構造改革協議に終わった 米国の対日包括要求に対する総決算である。 この「やっかいな交渉」に日本はどう対応すればいいのか。 交渉には応じなければいいだけの話だがここまで来てはそれも 無理だろう。 ならば国民の側に立って米国の不当な要求をはねつけるのだ。 毎日新聞の社説は「日米協調して双方の利益を最大化する しかない」と書く。 「米政府は目先の利害にとらわれ、日本という友人を失うことが あってはならない」と米国に注文をつける。 そんな事を書いたところで何の意味も無い。 米国は自国の利益確保を優先し、双方の利益などという考えは 最初からない。 そんな米国に「目先の利害にとらわれるな」と言ってみた ところで米国には届かない。ひとり言だ。 それよりも次の二つの報道から学ぶのだ。 ひとつは米国が要求していた日本の軽自動車規格撤廃要求を 米国があきらめ始めたという報道である。 コストの低い軽自動車は今では日本国民の必需品である。 日本の自動車業界の稼ぎ頭である。 その軽自動車産業を目の敵にして米国車の日本市場参入を図ろ うとする米国の要求は日本国民の反発をくらう。 さすがの日本も日本国民を敵に回すことはできないのだ。 もうひとつは世界貿易機関(WTO)による米の敗訴である。 すなわち米国はベアリング業界を中心に日本製品のダンピング (不当廉売)防止を口実に追加税率をかけてきた。 これがWTOによって協定違反と認定されたため撤廃せざるを 得なくなったというニュース(2月7日各紙)が流れた。 WTOは自由貿易促進の世界的取り決めである。 違反すれば訴訟に持ち込める。 訴訟の判定に加盟国は縛られる。 こんどの米国の反ダンピング課税はEUや中国、ブラジルなど も反対していたという(2月7日産経)。 すなわち自由貿易交渉はWTOで行なうことによってはじめて すべての国が公平にその目的を実現できる。 TPPではこうは行かない。力関係ですべてが決まる。米国の 不合理な要求を飲まされることになる。 日本の開国はあくまでもWTOを通じて実現することが日本の 国益に叶うという事だ。 世界の見ている前で王道で行なうべきだという事だ。 決して難しいことではない。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新しいコメントを追加