□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年1月31日第84号 ■ ========================================================= 保守派論客からも批判され始めた日本の対イラン制裁追随 ======================================================== 野田政権の最大の問題は政策の決定過程が不明であることだ。 皆が勝手な事を言い、それについて野田首相が自らの考えで方針 を決めるという事がない。 これがすべての混乱のもとである。 わが国の対イラン制裁に関する政策もまさしく不明である。 イラン制裁の迷走についてもうひとつだけ書いておきたい。 1月31日の産経新聞「正論」に平和安全保障研究会理事長の 西原正という人物が「日本はイラン制裁で発言力をもて」と題して 要旨次のように書いていた。 因みに西原正という人物は、歴代政府の安保政策に助言したり、 防衛大学校校長を歴任するなど、いわゆる御用学者の一人である。 その西原氏が次のように語っているのだ。 「・・・果たして米国のイラン制裁は成算があるのか。日本は イランの核開発に反対するのは当然としても、米国主導の対イラン 制裁は本当に妥当なのだろうか・・・」 そう問いかけた上で西原氏は次の三つの疑問を呈している。 すなわち、イランの石油禁輸を性急に進めると、日米はじめ 多くの国の経済に悪影響を与えることになる。 中国などの制裁不参加国がある以上効果が半減する。 より根本的な問題として経済制裁を続ければイランは核開発 を放棄するというのか。 これである。 これこそがイラン制裁の疑義であると西原氏は言う。 私が注目したのは、中国の制裁破りについての米国の欺瞞を 西原氏が厳しく指摘している次の箇所だ。 「・・・もちろん中国は(他の国と同様)米国のイラン制裁法 の適用を受け、中国の金融機関が米銀との取引停止の対象になれ ば中国の(受ける)打撃は大きい。 しかし、2010年7月に米国のイラン包括制裁法の下、米 国務省からの強い要請で日本企業がイランの石油採掘権を放棄した 経緯があるが、その後11年3月に発表された国務省の制裁対象 企業リストには、(イランに)多くの権益を持つ中国企業が外され ていたことがあった。 (筆者註:中国は日本が放棄した採掘権をイランから獲得した) こうした米国の『二重基準』的な措置には日本は強く抗議すべき である。むしろ米国に対し、中国の対イラン制裁参加を日本の制裁 参加の条件にするぐらいの主張を日本はすべきである・・・」 ついに政府側に立ってきた保守・体制派の学者でさえ野田民主党 政権のあまりの対米従属外交に異を唱え始めたのである。 おそらくこの考えは西原氏一人の考えではない。 この西原氏の意見は、つねに米国の一方的な要求を押し付け られてきた日本企業の本音でもあるに違いない。 財界が御用学者の西原正氏の口を借りてそう言っているのだ。 日米同盟聖域論が、体制内部から崩れ始め出したということ かもしれない。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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