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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

 行なうべきは工作活動ではなく正攻法の外交だ 
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン2012年1月31日第82号 ■     =========================================================      行なうべきは工作活動ではなく正攻法の外交だ                                                                    ========================================================  昨日(1月30日)発売の週刊東洋経済2月4日号に酒井啓子 東京外国語大学教授が緊張高まるイラン情勢について書いていた。  その見出しは「求められるのは工作活動ではなく外交」である というものだ。  その要旨は次の通りだ。  今回の軍事緊張を盛り上げたのはイスラエルや米国の諜報活動 である。  その例としてたとえば以下の通りが指摘される。  イラン情勢が緊迫化したきっかけは昨年11月11日に発表 された国際原子力機関(IAEA)の報告書である。すなわち、 それまであいまいにされてきた「イラン核開発の軍事利用」が その時の報告書で明白に断定された。それで制裁強化の気運が 一気に高まった。  今年1月10日にイラン政府はイラン系米国人が米国のスパイ だったとして死刑判決を下した。  翌日にはイラン国内で核科学者が暗殺された。  これらはいずれもイスラエル、米国の諜報活動、工作活動による ものだ。  それに対抗してイランもまたイスラム抵抗組織を通じて反米、 反イスラエルの活動を仕掛けている。  そして酒井教授は要旨次のように述べる。  ここには、(諜報活動、工作活動はあっても)外交的解決という オプションはない。イラクやアフガン戦争を見れば軍事力で問題 解決ができない事は明らかであり、従って米国もイランも合理的に 考えれば軍事的衝突の選択をとれるはずはないのに、諜報活動が それを妨げる。米国とイスラエルが常に短絡的に諜報と軍事活動に 依存するのは、米国やイスラエルが対立国との外交関係を持たない からだ。本来、国家間関係を調整するはずの外交がそもそも存在 しないからだ。そのこと自体を米国やイスラエルは考え直さなけれ ばならない。諜報活動は外交を代行することはできない。  その通りだ。  ところが日本のメディアに中で、諜報活動やインテリジェンスの 重要性をやたらに強調する者がいる。  その筆頭が佐藤優である。  その佐藤優は、米国のイラン制裁にもろ手をあげて賛成しない 玄葉外相を、様々なメディアで執拗に批判する。  その直近の記事は情報月刊誌エルネオス2月号の中の「佐藤優 の情報照射」という連載コラムだ。  その中で要旨次のように述べている。  「・・・1月12日、来日中のガイトナー米財務長官に対し安住 財務相はイラン制裁に協力する姿勢を明らかにした。これは (イランとのパイプを維持してきたこれまでの)わが国の対イラン 外交の方針の大きな変更を示すものである。イラン問題は米外交の 最重要事項だ。(だから)日米同盟を深化させる上でも安住財務相 は適切な方針を打ち出した。この安住財務相の方針に異を唱えて いるのが玄葉外相だ・・・」  そう述べた上で佐藤優は玄葉外相が1月13日の記者会見で、 イランからの原油輸入制限に慎重な姿勢を見せ、米国(クリントン 国務長官)も『制裁の運用は慎重にする』と述べたことを明らかに した事を批判する。  自分(佐藤)の入手した情報によれば事実に反する発言だと言い、 下手をすると、玄葉発言はイラン制裁をめぐって日米同盟の危機を 招くおそれがある、とまで脅かしている。  これはまさしくインテリジェンスの重要性を過度に強調して、 情報操作、工作活動を続ける佐藤優の正体を表しているのだ。  彼がこの記事の原稿を書いたのは、明らかに1月27日の参院 本会議の前に違いない。  私は1月28日のメルマガ第76号で次のようにその時の国会 質疑の模様を書いた。  輿石「政府はイラン政府とのパイプを活用し、事態改善に努める べきだ」  野田「平和的、外交的な解決に努力することを基本として・・・ 各国と協調しながら問題解決に向けて努力する」  すなわち玄葉外相の発言は野田民主党政権の方針なのである。  安住財務省の発言こそ勇み足なのである。  インテリジェンスを強調して工作活動を続ける佐藤優が、安住 財務省を正しいと評して馬脚をあらわした瞬間である。  佐藤優の言う事に惑わされてはいけない。                           了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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