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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

消費税増税をめぐる議論の鍵を握るいくつかの重要な数字
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年1月11日第28号 ■     =========================================================     消費税増税をめぐる議論の鍵を握るいくつかの重要な数字                                                                            ==========================================================  なぜ消費税増税が必要なのか。  増税賛成論者が主張する答えは、財政破綻を回避する為だ、ギリシャ のようにならないことだ、という。  しかし、そのような漠然とした理由だけでは消費税増税を正当化する には不十分だ。  やはり基本的な数字に基づいて議論をしなければならない。  その一つの例として、発売中の週刊朝日1月20日号で藤巻健史と いう経済評論家が次のように解説している。  昨年12月24日に野田内閣が閣議決定した来年度の予算案は、税収 などの収入が46兆円であるのに対し、歳出は90.3兆円であり、 その差額44.2兆円を借金である国債でまかなう予算である、と。  ここまでは誰もが知っている事実である。  厳密に言えば実際の支出はこれに復興費などの別枠が加わるので歳出 総額は96.7兆円である。ごまかしが行なわれているのだがここでは それは問わない。  藤巻氏はこの予算を次のように解説してみせる。  44.2兆円の赤字を埋めるために現在の実質40.69%の法人 税率を倍にしても赤字は8.8兆円しか減らない(そしてそんな事を すれば企業はすべて海外に逃げてしまうからできる筈はない)。  所得税率を2倍にしたところで13.4兆円しか減らない(所得税 を倍にすることなどできるはずはない)。  これらの例を示して藤巻氏は44・2兆円の赤字とはそれほど大変 な額なのだと教えてくれる。  しかも毎年借金は増え続け12年度末で1000兆円を突破する。  この数字は毎年10兆円ずつ返済しても100年かかる計算だ。  これも気が遠くなる話である。  そして藤巻氏は一番怖いのは長期金利が上昇することであると次の ように言う。  すなわち景気が回復しても、あるいはその逆に財政赤字が続いて 国家の信用が失われても、長期金利は間違いなく上昇し始める。現在 はゼロ金利だから国債の利子は無いに等しいが、一旦金利が上がり はじめたら元本1000兆円の支払い金利は半端じゃない。一発で 財政破綻だ、と。  このように説明した上で藤巻氏は言う。  唯一、財政破綻を遅らせる理由は消費税の引き上げだと。  なんだ。藤巻氏は財務省のまわしものか。これは野田首相の消費税 増税策を正当化する世論操作なのか。  そう思ったのだが、必ずしもそうではない。  藤巻氏は更に続ける。5%程度の消費税の引き上げでは焼き石に水 だと。  彼の計算では30%幅以上の増税が即座に行なわれなければ、財政 破綻は不可避だ、と。  そうだとすれば野田首相が政治生命をかける消費税増税は無駄な 痛みを国民に迫る愚行だということになる。  つまり藤巻氏はもはや普通の事をやっていては日本の財政は救われ ないと言っているのだ。  そして藤巻氏は解決策を示さないまま各人が自己防衛せよと言う だけでその解説を終えている。  だれか正しい解決策を示すものがいないのか。  そう思っていたらきょう(1月11日)の東京新聞「本音のコラム」 で作家の井形慶子という人がこう書いていた。  消費税増税に向けてどうしても納得できないことがある。国会議員の 歳費や公務員数を削らないこと。天下りが巧妙に行なわれ、儲かる仕組 みを役人が手放さないことだ。もし大赤字の経営者が何とか乗り切る ためと、従業員の給与をカットし、名ばかり役員だけに高額な報酬を 払い続けたら、誰がそんな会社の将来を信用できよう。これが今の 日本だ、と。  ここまでは皆が思うことだ。  問題はその後に例示されている次の数字である。  「平均年収約700万円とも言われる350万人の公務員に投入され る税金は国会議員への支出と合算すると、年間約25兆円。いまや4人 に一人が年収200万円以下なのに・・・」  つまりどうせ国家が破綻するのなら、その前に政治家も官僚もすべて なくし、国の安全保障のための5兆円の防衛費予算も、貧しい国々を 助ける海外援助もすべて凍結する。  そこまで政治決断しなければ本当の解決策にならないということだ。  そんなことは出来ない相談だと国民は思うかもしれない。  それが間違いなのだ。危機感の無さなのだ。  国がなくても地方があれば国民は自らの手で行きぬくことができる。  それが「もうひとつの日本」の目指す姿である。  かならずその方向に日本は向かうことになる。                               了                               ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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