□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年1月5日第10号 ■ ========================================================= 除染作業から撤退する自衛隊とそれを許すメディア ========================================================== 元旦の日経新聞が報じていた。 放射性物質汚染対処特別措置法が1月1日から全面施行され、国負担 の除染作業が本格化すると。 そもそも、膨大な予算と労力をかけて果てしない除染作業を行なう事 が果たして正しいことなのか。 私は疑問に思うのだが、そのことについてはここでは問わない。 除染作業を被ばく住民まかせでいいのかという批判が出て、自衛隊が やっと除染作業に乗り出したのは、ついこの間のような気がする。 これこそが自衛隊の仕事ではないかと思ってそのニュースを聞いた ものだ。 ところが昨年12月27日の産経新聞が報じていた。 一川防衛相は12月26日、自衛隊に対し、原発災害派遣から撤収 するように命じたと。 これは一体どういうことなのか。 これは、自衛隊の本業は国防であり災害対策ではないと言っている のだ。 米国の戦争に巻き込まれるような有事に備えることには熱心であって も、そして国際貢献の名の下に復興支援のために海外派遣することには 積極的であっても、災害や被ばくで困っている国民を助けることは、 軍隊である自衛隊にとっては二の次だと言わんばかりだ。 災害救助ばかりをやっていることは自衛隊のプライドが許さないと 言っているのだ。 しかもそれは政府の考えではない。 自衛隊幹部の意見であり、それを正しくシビリアンコントロールでき ない防衛官僚と政治家がつくる方針なのである。 しかし、そのような自衛隊、防衛省の態度は国民への裏切り行為で ある。必ずしっぺ返しを受けることになる。 そもそも憲法9条が成立した1947年には存在していなかった。 その意味で自衛隊は存在そのものが違憲、違法、いや超法規的な 存在であるのだ。 その自衛隊が憲法9条と共存する形で国民の多数に受け入れられて 来た最大の理由は、平和な日本に助けられて参戦しなくて済んだ僥倖と、 自衛隊が災害救援のために国民生活に貢献してきたからである。 日本の安全保障と関係のない米国の戦争に加担していることも、日本 とは関係ない国々の生活支援のための海外派遣も、それを国民が許す のは、自衛隊が災害支援のために国民生活に役立ってきたありがたい 存在であったからだ。 その国民が一番困っている除染について、しかも、その作業が長期間 にわたって本格化する今になって、その任務から完全撤収しようとする 自衛隊。 それを許し、完全撤収を命じる一川防衛相とそれを認める野田首相。 その間違った姿勢は、自衛隊にとっても決して為にならない事を自覚 すべきだ。 それを指摘しないメディアもまた、国民の側に立っていない事を自ら 認めているようなものである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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