□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年1月5日第10号 ■ ========================================================= 野田首相の訪中の無意味さを象徴する尖閣問題の再燃 ========================================================== 昨年末の野田首相の中国公式訪問について、昨年12月31日の 東京新聞「本音のコラム」で北京在住フリーライターである ふるまいよしこ、という人が厳しく評価していた。 野田首相の訪中を中国語で形容するなら、中国のネットで流行 している言葉である「浮雲」がぴったりだ、と。 すなわち、「朝鮮半島の安定」、「六カ国協議」、「日中関係の 緊密化」、「日中韓FTA」、「人民元の国債購入」、「パンダ借り 入れ」、など日本のメディアが報じる議題は多いが、どれを見ても 官僚がお膳だてした話をなぞっただけで、そのどれも「結果」が出て いない、と。 野田首相が日本に帰国したその日の午後に、中国メディアの話題は 香港の行政長官の北京詣でに移っていた。「浮雲」とは、つまりそう いう意味だ、と。 ふるまいよしこ氏が指摘をするまでもなく、その訪中が無意味だった ことを1月4日の日本の報道が証明してくれている。 沖縄県石垣市の市議ら4人が3日、尖閣諸島・魚釣島に上陸した。 この事に対して中国政府は3日すかさず日本政府に抗議をしたと言う。 その一方で中国政府は4日に行われた北京の日本大使館前の抗議デモ を多数の警官を動員して抑え込んだという。尖閣問題が日中関係に及ぼ す影響を最小限にとどめようとする中国当局の意思表示である(1月 5日産経)。 ひるがえって野田首相は尖閣問題で何か対応策をとったというのか。 尖閣諸島への上陸を繰り返す石垣市議らをたしなめる行動をとった というのか。 これを要するに、野田首相は尖閣諸島問題という日中間でもっとも 重要な政治問題について中国の首脳と本気で話し合ってこなかったと いうことだ。 領土問題を平時の交渉で白黒つけることは不可能に近い。 だからこそ日中双方の首脳たちは、その問題を表面化させないよう 現実的な対応に腐心してきたのだ。 年末の訪中で首脳が話し合うべきはまさしくこの尖閣問題について の現実的な対応であったはずだ。 それが訪中まもなく再び尖閣問題がメディアを賑わし、日中双方が この問題で非難の応酬をせざるを得なくなる。 野田首相の訪中の無意味さがここに見事に表れている。 因みに1月5日の東京新聞は次のように書いていた。 李明博大統領は9-11日訪中し中韓FTA交渉開始を発表する。 韓国は日本が早期開始を求める日韓FTA交渉より中韓FTAを 優先したことになり、日中韓FTAで日本は置き去りにされることに なる、と。 果たして野田首相は日中首脳会談で日中韓FTAについてどういう 話し合いをしてきたのだろうか。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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