□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年12月28日第924号 ■ =========================================================== 憲法9条が泣いている2011年の年の瀬である ========================================================== こんな政権政党は見たことも聞いた事もない。 国民がおだやかな新年を迎えようとしている年の瀬に、国民生活の 将来を決める重要政策が、議論もなく、決定手続きも不明なままで あわてて決められていく。 そこには野田首相の言葉は聞こえない。 消費税引き上げをめぐる混乱は言うまでもない。 八ッ場ダムの建設再開の決定もそうだ。 しかしこれらについて私はここでは語らない。 みながさんざん語っている。 私がここで取り上げたいのは素人防衛大臣と官僚丸投げの下 で次々と決められていくこの国の防衛政策についてである。 私は、12月13日のメルマガ第883号で、次期戦闘機F-35 の決定の不透明さについて書いた。 案の定、あらゆる矛盾を抱えながら何の異論も、反対もなく予定 調和のごとく決まった。 そして来年度予算案でF-35の4機導入と訓練用シュミレーター とやらの導入予算600億円が計上された。 財政削減が至上命題の予算編成にもかかわらず。 そしてその後も12月26日と27日に二つの重要な決定が行な われた。 ひとつは沖縄環境評価書の送付であり、もうひとつは武器輸出 三原則の緩和という名の放棄である。 環境評価書は手渡しを避けて送付した。 その送付も、住民の反対で一旦は引き返した輸送車が、一日遅れの 12月28日未明に、今度は強行搬入するという始末だ。 なぜ政府はこれほどまでに年内提出にこだわったのか。 野田首相がオバマ大統領に約束したことに加え、米議会で普天間 移設と連動する在沖縄海兵隊のグアム移転経費が削除されたためだ。 米議会の予算復活には、目に見える形での日本側の進展が必要と 勝手に思い込んで、沖縄住民の反発を承知の上でオバマ大統領に迎合 したのだ。 それだけではない。この環境評価書においてはあの危険なオスプレイ (米海兵隊の素直離着陸機)を容認しているのである。 武器輸出三原則の緩和はもっと深刻だ。 国際共同開発への参加であるとか人道目的の供与に限るなどという 子どもだましの口実をならべて、歴代政権がためらった武器輸出三原則 をついに放棄した。 日本がつくった武器がやがて戦争に使われることになる。 これを見事に証明するかのように、野田首相が訪問しているインドの ラジュ国防相は、日経新聞のインタビューにおいて、武器輸出緩和に 期待すると言っている(12月27日日経)。 テロやパキスタンとの戦いに使われるのだ。 こんな重大な政策決定が、官僚まかせの野田政権の下で、藤村官房長官や 一川防衛相といった素人大臣の下で、まともな議論なく行なわれている。 それを防げなかった責任は政権政党である民主党の斉藤や平岡といった 護憲政治家にある。 護憲を党是としてきた社民党や共産党のすべての政治家にある。 いくら政権政党の議員だといっても譲れないものはあるだろう。 いくら少数野党であるといっても政治は国会内だけではない。 街頭に出て平和を願う国民を奮い立たせ、反対運動を起こすことも政治家 の立派な仕事だ。 それを行なおうとする政治家はただの一人もいない。 憲法9条が泣いている2011年の年の瀬である。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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