□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年12月26日第920号 ■ =========================================================== 「NHKスペシャル 永田町・権力の漂流」の正しい見方 ========================================================== 昨晩(12月25日夜)のNHKは9時15分から一時間半 にわたって「NHKスペシャル 永田町・権力の漂流」という 番組を流した。 この番組は今の政治に少しでも関心を持つ者ならば必見の 番組だ。 その要約をこの短いメルマガで解説すればこうなる。 1・小沢・鳩山・菅のトロイカ体制を崩壊した張本人は、やはり 菅のあくなき権力欲であった。それこそが今日の政治の混迷の原因 である。 しかも菅は今でも自分は正しかったと言い張っている。驚く べき自己弁護であり、自己陶酔だ。 因みにその菅については驚くべき証言の数々があった。 4年間消費税を上げないと国会で公言しながら、サミット出席後に 「消費税を上げないとギリシャのように破綻する」と言い出し、突如 として消費税増税を言い出した菅首相は、いまでも本気で消費税増税 が正しいと言い張っている。 普天間問題に苦しんでいる鳩山首相に何も手を貸さなかった菅は、 「消費税増税を言い出せばいい、そうすれば普天間問題など吹っ 飛ぶ」と鳩山に助言し鳩山を驚かせたと言う。 2.北沢防衛相(当時)の次の証言は噴飯物だ。 彼はNHKのインタビューの前で、ためらいながらもはっきりと 証言した。放映されてしまったら元にはもどらない。 あの菅首相の不信任決議案否決につながった「菅首相辞任の密約」 について、それが同床異夢につながった原因は起案者の一人であった 北沢防衛相の二枚舌だったのだ。北沢は菅首相に、「辞めろとはどこ にも書いていない」と暗に辞めるなとそそのかしたのだ。 不信任案可決は解散・総選挙につながり、民主党敗北必至のなかで それだけは何としても避けたかったのだ。 3.もちろん政局の混乱は鳩山、小沢にもひとしくある。 人はいいが宇宙人の鳩山は、普天間問題で迷走の果てに日米合意に もどった。 その事に対してオバマ大統領から感謝状をもらって事を喜び、救わ れる思いだった、とテレビの前で述べていた。どうしようもない ピントはずれだ。 そして小沢である。 菅おろしのために挑んだ民主党代表選挙に敗れた小沢は菅内閣 不信任案成立のために自民党の森元首相と通じて、菅の後は谷垣首相 でもいいと持ちかけていた。これはやはり真実だったのだ。本人も それを認めていた。 そのような政局の小沢はまだ許せる。 問題は、それではこれから日本をどうする、民主党をどうする、 この最重要問題について何も答えようとしないことだ。腹の読め ない小沢のままなのである。 4.小沢については小沢のカネの問題だ。小沢起訴が国策だった ことがもはや明らかになりつつある中、NHKはこれを完全に スルーした。 この問題に触れることなくこの国の権力争いを論じることは 無意味だ。反小沢の片棒を担いだNHKが責任を見事に回避した。 5.そしてきわめつけはNHKのこのスペシャル番組は、今の野田 政権について何も語らず、一気に橋下に注目していることだ。 つまり野田はこの番組の権力争いですら関係ない、野田は はやばやと終わった、といっているのだ。 5.そして番組の最後のシーンに映しだされた橋下の笑顔である。 このラストシーンでNHKスペシャルは何を言いたかったのか。 おそらくNHKはその答えを読者に委ねて余韻を残したのだろう。 ならば私はこう結論づける。 橋下人気は頷ける。なぜならば橋下の人気は、このNHKスペシャル が描いた既存政治家、政党の権力欲の果ての迷走を、国民が否定した ところから来ているからだ。 しかし橋下人気はやがてさらなる政治の混迷として終わるだろう。 なぜならば橋下が既存の政党、政治家と組もうするならば、誰と、 どの政党と汲もうとも、それはこれまでどおりの政争の繰り返しに 終わるからだ。 そして橋下がこの国の政治の仕組みの大改革という制度いじりから、 この国をどんな国にしていくつもりかという政策を語り始めた時、橋下 の正体が明らかになり、橋下もまた既存の政治家の一人のいずれかに成り 下がるからである。 橋下を超える政治家が現れなくてはならない。 いやもはや政治家は要らない。 政治の主役は国民だ。その国民が政治に参加できる唯一の手段は地方 主権であり、それぞれの地方から日本の民主主義が生まれる、それしか 日本の政治の混迷は終わらない。 これこそがNHKスペシャルの言いたいことではないのか。 そう解釈するのは私の希望でありNHKに対する買いかぶりだろうか。 読者はこの番組を是非とも観てほしい。そしてその解釈を私に教えて 欲しい。 了 ───────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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