□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年12月19日第903号 ■ =========================================================== クリントン米国務長官とミャンマー大統領との会談光景が物語るもの ========================================================== クリントン米国務長官がミャンマーを訪れたのは11月末であった。 その時、これが大きく報道された。 なにしろ米国の国務長官がミャンマー(ビルマ)を訪れるのは 1955年のダレス国務長官以来56年ぶりなのだ。 当時それが「米国のアジア回帰」であり「米国のビルマ・中国離反 政策」であると判で押したように報じられた。 しかし、米国とミャンマーの関係は進展するのか。 米国の対アジア積極外交はミャンマーの中国離れをもたらすのか。 決してそうはならないだろう。 米国がミャンマーとの関係改善しようとしたのは、ミャンマーの 民主化が本物になったからではない。 中国のアジア支配を牽制するためであるとともに、米国にはもう一つ の明確な目的があった。 それはミャンマーを通じて核がテロにわたらないように米国として ミャンマーに関与し、監視していこうということだ。 一方のミャンマーもが米国の関与を歓迎する目的がある。それは 決して中国を牽制するためだけではない。 中国と米国を天秤にかけて国際政治への影響力を高める事がミャンマー の生き残りのために得策であると判断したからだ。 これを要するに、日本の報道が騒ぐほど米国とミャンマーの関係は 急展開するわけではないのだ。 この事を正面から解説した記事は当時皆無だった。 そんな中で12月8日の毎日新聞「木語」の金子秀敏専門編集委員の 記事は秀逸だった。 そこに描かれているクリントン米国務長官とテインセイン・ミャンマー 大統領の会談光景は、米国とミャンマーの関係を見事に教えてくれて いた。 少し前の記事になるが、これこそが新聞の書く記事である、と思った ので、遅ればせながら以下の通り紹介する。 以下 要旨引用 ・・・メディアはヤンゴンで行われた民主化運動指導者、アウンサン スーチーさんとクリントン米国務長官との会談を大きく取り上げたが、 (クリントン)長官の主目的はテインセイン大統領との会談のほうだ。 だだっ広いホールの中央に置かれたイスに座る長官と大統領。長官は 心地悪そうな表情だ。会談は大統領が一回、長官が一回、それぞれ数十分間 の長い話をして、そのまま昼食という奇妙な形式だった。 ミャンマーという国名はかつて日本では「ビルマ」、英語では「バーマー」 と呼んだ。それが軍事政権の時代に「ミャンマー」と変更された。 ミャンマーの民主化勢力がこれを受け入れなかったために、米国政府も またバーマーで押し通してきた。 だが今回のクリントン米国務長官の訪問は両国間の関係改善のためだから、 テインセイン大統領の気分を害するような「バーマー」は使えない。 といって「ミャンマー」と言うのもためらわれる。 米高官のブリーフィングによると、長官はミャンマーと言わず、 「ジス・カントリー(この国)」と言った。 クリントン長官の狙いは中国とミャンマーの間にクサビを打ち込むことだ とみられている。しかしテインセイン大統領はそっけなく言った。 『われわれは中国との良好な関係を望んでいる。』、と。 これに対しクリントン米国務長官は、『米国は支持する』と答えざるを 得なかった・・・ この記事が語る会談光景は、米国がアジアで影響力を持つようになるのは 容易な事ではない、事を教えてくれている。 金子秀敏専門編集委員の秀逸な記事であった。 了 ─────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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