□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年12月19日第902号 ■ =========================================================== 政治の貧困化と世相の乱れを反映する有識者の極論化現象 ========================================================== 立場の違いはともかくとして、メディアに掲載される有識者の 論説というものは、おのずと自制の利いたものでなければならない。 なによりも理性的で、論理的なものでなくてはならない。 さもなければ酒場の素人論議であり、ネット上の匿名の書き殴り でしかない。 しかし、最近の新聞紙上でみられる有識者の論説の中には、驚く ほど粗雑で一方的なものが増えてきたように思えてならない。 なぜだろうか。 それはつまるところ政治が行き詰まり、貧困化している結果である と思う。 そしてその閉塞感が世相の乱れを招いているのだ。 そんな現実を前にして、有識者もまた苛立っているのだ。 自分の意見を実現してくれる政党、政治家が見当たらなくなった。 まともな言葉で意見を言っても相手にされない。 ましてや世論の注目を引くには極端な意見を述べて愚かな国民 を挑発しなければ存在感を示すことができなくなった。 識者がそう思い込み始めて、その言論が意図的に極論化に走って いるのではないか。 そう思わざるをえない論説を、またひとつ12月18日の読売新聞 「地球を読む」に見つけた。 そこに見られる北岡伸一東大教授の主張がそれだ。 これが東大教授の論説かと驚かされる。 興味のある読者は読売新聞の全文をお読みいただきたい。 ここでは字数の制約から、思い切って短く要約する。 当然ながら以下の私の要約は北岡教授の主張のほんの一部を私の独断 で抜粋して引用したものに過ぎない。 しかし全文を読まれた読者は、この要約がすべてであることを知る だろう。 全文を読む必要はなかったと思うだろう。 「・・・2011年は内外ともに大戦略が必要な年であった。舵取り を誤ると2012年は大変な年となるだろう。 そのためには野田民主党政権の行おうとしている『消費税増税、社会 保障の圧縮』と『日米同盟を強化して中国を包囲する安保政策』の二つ を主要政策課題として直ちに断行されなければならない。 歳出を削減してから増税という余裕はない。景気が悪い時に増税は できないという主張も誤りだ。景気は良くならない。だから景気回復を 待って増税する時は来ない。一刻も早く増税を決定すべきだ。 安全保障政策は米国のアジア回帰に呼応して中国包囲網形成に日本も 積極的に協力すべきだ。その為には武器輸出三原則の見直しや集団的 自衛権の議論を加速すべきだ。 の二大政策にたすいては民主党と自民党の違いはない。党派の超えて それに取り組んでもらいたいというのが国民の願いだ。それはとりも 直さず大阪ダブル選挙で橋下氏を支持した選挙民のメッセージでもある。 二大政策の実現を急げ・・・」 これは冗談ではない。 北岡教授が血迷ったのでもない。 部下の謀反に逆上した渡辺恒雄会長率いる読売新聞が異常をきた したからそのような北岡氏の論説を掲げたわけでもない。 間違いなく現実の一側面なのだ。 政治の貧困化と、それによってもたらされ世相の乱れを反映した 有識者のいらだちなのである。 このような傾向を甘く見てはいけない。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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