□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年12月14日第884号 ■ =========================================================== 「年の瀬外交3連発」の破たん ========================================================== 野田首相や玄葉外相がいかに外務官僚に依存して外交を行い、 そしてそれがことごとく裏目に出たか、それを見事に解説してくれ ている記事を見つけた。 発売中の週刊ダイヤモンド12月17日号の後藤謙次元共同通信 編集局長の連載コラム「永田町ライヴ」がそれである。 すなわち野田民主党政権中枢が外務官僚に入れ知恵されて描いた のが外交による「得点狙い」だったという。 そして、それが「年の瀬外交3連発」、すなわち野田首相の訪中 (12月12日―13日)、李明博士韓国大統領の来日(12月 17日―18日)、野田首相の訪米(来年1月)の形で上手くいく はずであった、と。 ところがその第一発目である野田首相の訪中が直前になって中国側 からの延期要請で不発に終わったことは周知の事実だ。 この中国訪中延期のダメージを後藤氏は次のように解説してみせる。 野田政権の発足以来、日米関係が改善の方向に向かっている事を 背景に、中国の「日中重視の姿勢が鮮明になってきている」と日本 政府(外務省)は見ていた。しかしはたして中国はそこまで対日外交 を重視しているのだろうか。 確かに野田総理の訪中に先立って、玄葉外相が日帰りで訪中し、中国 側は温家宝首相を筆頭に、国務委員(外交担当)の戴へい国、外相の 楊潔ち、という外交の三枚看板がそろい踏みして玄葉外相を出迎えた。 その前日には野中広務元自民党幹事長が来日中の元駐日中国大使の 王毅氏と会談し「玄葉大臣は、年は若いが立派な政治家だからよろしく 頼む」とわざわざ協力を依頼している。 また野田首相は12月1日の記者会見で自らの訪中に関して「戦略 的互恵関係を深化させるための具体的な議論をしたい」と述べて、強い 意欲を表明した。 その上での突然の中国側からの訪中延期要請である。これでは野田 首相のメンツは丸つぶれである、と。 外務省幹部は「これで中国に貸しができた。日中外交の主導権を 握れる」と意気込んでみせるが、果たして野田政権には年内に訪中 できる余力があるのか、と。 そして後藤氏はその記事を次の言葉で締めくくっている。 「(野田首相の)年内訪中が見送られることになれば、年明けに検討 されている野田首相の訪米にも影響を与えかねない。中国からいきなり 投げ込まれたクセ玉は、そうとう難解であり、厄介な代物である」。 後藤氏がこの原稿を書いていた時には、もちろん来年1月の訪米が 米国側の都合で延期されたというニュースは飛び込んでいなかった。 後藤氏がそのニュースを知った今、果たしてどのような解説をする のだろうか。 ちなみに韓国の李明博大統領の訪日はいまのところ延期されるという 報道はない。 しかし10月のソウル市長選挙の与党候補惨敗や米韓FTA協定に 対する国内の反発などで、李明博大統領の再選はもはやあり得ないと 言われ始めた。そんな李明博大統領の訪日が野田政権にとっての点稼ぎ にならないことは明らかだ。 すべては外務官僚の読み間違えであり、そんな外務官僚に外交を丸 投げして点を稼ごうとした野田政権の誤りのなせる業であるという ことだ。 ちなみに私がこの後藤氏の記事でもっとも注目したのは野中元自民党 官房長官が玄葉外相をもちあげて中国側に紹介したという事実である。 野中氏の政治的立ち位置を見事に物語っている。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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