□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年12月12日第881号 ■ =========================================================== 「今の日本のすべてが沖縄の犠牲の上に成り立っている」という認識 ========================================================== 12月7日の朝日新聞が書いていた。 防衛省は沖縄の米軍用地の賃料を前年度比1・6%増にする事で 来年度の概算要求を行うことにした、と。 全国の地価はもとより、沖縄の地価さえも下がる中で、軍用地の賃料 だけ、値上げするのである。 これはもちろん米軍基地の集中する沖縄に対する飴である しかも、ここ数年は前年度比1%増で推移して来たのに来年度はさら に0・5%上乗せするという。 これはもちろん普天間飛行場移設を受け入れてくれることを期待した さらなる飴である。 しかし、私がもっと残念に思うのは、沖縄県の軍用地主でつくる「県 軍用地等地主会連合会」(土地連)はそれを拒否し、倍増しろと要求 している事である。 なんだ、これではケビン・メア元国務省日本部長の言う通り「たかり」 ではないか。 そう思っていた私は、それから三日ほどたった12月10日の毎日 新聞に連載されている野坂昭如氏の「七転び八起き」の次の文章を読ん で反省させられた。 以下抜粋して紹介する。 「・・・今の日本を形作っているすべては沖縄の犠牲の上に成り立つ といって過言ではない。戦中、さらに戦後、沖縄は日本の盾にされた。 唯一地上戦が行われた沖縄。空襲だってもちろん苛酷だったが、沖縄 の被害は空襲による被害とケタが違う。逃げる場所はなく、見つかれば 殺された。ごく普通の島人が人間の極限の姿を目にし、地獄を見た。 地上戦の後、一木一草すべて失われ、影のない島に、二十数万の遺体が 放置され、これを島人たちが片づける。沖縄地上戦は、本土防衛のため の虚しい戦い。大日本帝国が沖縄を見捨てたのだ。 戦後日本は、沖縄を人身御供として差し出しながら自らを守り、繁栄 に走った。沖縄はその役割を上手く果たしてきた。だが、その経緯は実 に悲惨である。本土はいささかも傷つかず、沖縄だけがひどい目に遭っ てきた。他にも米軍基地は全国に存在する。しかし沖縄ほど極端じゃ ない。沖縄は戦後基地漬けにされ続け、基地によって自分たちの衣食住 を支えざるを得ない状態が続く。反基地を訴えることは即ち、食えなく なることにつながる。その上で基地の縮小、あるいは撤廃を迫るという 矛盾の中で放置されてきた。 本土の人間は(1995年の少女)暴行事件に対し、当初眉をひそめ、 アメリカへの恨みごとを口にした。しかし結局は他人事。これを機に 浮上した普天間の基地問題も同じだろう。メディアも沖縄の基地に ついて、取り上げはするものの、基地の本質を論じないまま今日に 至る・・・」 野坂昭如の「七転び八起き」は戦争にまつわる随想がいい。とくに 12月10日に掲載されたこの連載119回「日米開戦70年」の それは 格別だ。 野田首相に少しでもこの野坂昭如の語る沖縄への認識があるのなら、 一川防衛大臣を適材適所と平然と繰り返し、一川防衛大臣の失言を詫び ながらも年内に必ず環境影響評価書提出を行う、などということを口に することは決してできないはずである。 野田首相は沖縄の歴史に断罪されるに違いない。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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