□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年12月11日第878 ■ =========================================================== 拒否権を発動することは孤立すること =========================================================== 欧州の債務危機問題の行く末は一体どうなるのだろうか。 EU首脳会議の結果をどう評価すればいいのか。 それを報じるおびただしい報道を読んでもなにもわからない。 経済専門家もわからないらしく週明けのマーケットの動きに注目 するなどと言っている。 しかし一つだけわかったことがある。 それは拒否権を発動することは孤立するということだ。 欧州債務危機打開のためには新たな財政規律強化策が必要として EU27カ国全員が参加する基本条約の改正を主張した独仏と、あく までも主権、国益を優先し、それに反対する英国との間で激しい対立 があったという。 英国が拒否権を行使する形で最後まで仏独に応じず、その他の国が 最終的に仏独に歩み寄って、最後は英国抜きのEU26か国で新条約 に向けて合意が図られたという。 この結果がEU首脳会談の成果であったのか失敗であったのかわか らない。 英国抜きの財政規律強化策が奏功するかどうかはわからない。 英国の判断が英国の国益にとって正しかったのか私は知らない。 しかしわかっていることは英国を入れたEU27カ国の基本条約は なくなり、英国を除くEU26か国の協力が進むという事だ。 これを12月10日の毎日新聞は大きく次のような見出しをつけて 報じていた。 英「拒否権」で孤立、と。 同じ日の日経新聞は次のように書いていた。 英国はEUのヘッジファンド規制や銀行監督規制などで仏独に 主導権を奪われた。英国は孤立感を深め、「英国抜き」がEUの政策 決定の日常という風景になるのは必至だ・・・ この記事を読んだ時、私はすぐに米国との違いを思い浮かべた。 パレスチナ問題で当然のごとく拒否権連発する米国は、なぜ孤立し ないのか、と。 拒否権は最後の手段だ。 おそらく英国は国益を守るため孤立を覚悟で最後の手段として拒否権 を行使したに違いない。 苦渋の選択だった。そしてその行使が果たして正しかったかと自問 自答することになるだろう。 しかし米国はパレスチナ問題で当然のように拒否権を行使し続ける。 それでいて孤立しない。 そのような事が健全なことなのか。 そんなことが永久に許されるのか。 拒否権を発動することは孤立すること。 そのことが国際政治で当たり前のようになる時こそ世界が平和に一歩 近づく時だと私は思っている。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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