□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年12月4日第851号 ■ ============================================================= 野田首相の「捨石発言」を見過ごしてはいけない ============================================================ 私はきのう(12月3日)のメルマガ第484号で、野田政権は 危ういと書いた。 野田首相はそれを自覚しているに違いない。 一夜明けたきょう(12月4日)の朝刊は一段の小さな記事である が各紙一斉に次のように報じた。 すなわち、野田首相は3日夕、都内のホテルで開かれた中小企業 経営者の会合に出席し、消費税増税やTPP交渉参加について「不退転 の覚悟でやりたい。捨石になってけりをつける」と強調したと。 とんでもない発言である。 いつ辞めてもいい。しかしその前に消費税増税とTPP交渉参加 だけは自分の手で決める。 決めた以上それに従って走りだす。 走りだせば誰も自分を辞めさせるわけには行かないだろう。 たとえ辞めざるをえなくなっても、その後に誰が自分の後を継ごう とも、そのレールを簡単には覆せない。そんなエネルギーのある政治家 はいない。 自分の決断が歴史に残る決断になるのだ。 これこそが野田首相の「捨石発言」の真意である。 何がそうさせているのかは知らない。 青年将校のような危うさが野田首相にはあるのかもしれない。 あるいは背後の大きな力がそうさせているのかもしれない。 そうすることによって首相の地位が保証されているのかもしれない。 そんな事はわからなくてもいい。 はっきりしているのは、野田首相は自爆覚悟で消費税増税とTPP 交渉参加を自分の手で決定する事を決めているということだ。 言い換えれば、消費税増税、TPP交渉参加について国民の信を問わ ずに断行するということだ。解散・総選挙は行なわないということだ。 国民主権の否定である。 消費税増税とTPP交渉参加問題はいまや国論を二分する政治課題だ。 それらに反対する合理的な理由を私はこのメルマガでさんざん書いて きた。 その一方で、メディアでは次のような意見が大手を振って通っている。 たとえば竹中平蔵慶応大学教授は12月1日の産経「正論」でこう 書いている。 「・・・(野田首相は)国民の耳にタコができるほどTPPの必要性を 語るべきである」と。 たとえば12月3日の日経「大機小機」は「消費税増税のススメ」と 題してこう書いている。 「・・・消費税増税には多いに賛成である・・・増税反対論のなかに、 厳しい景気状況をさらに悪化させると言う見方があるがこれは逆だ」 要するに国論が二分し、対立しているのだ。 それは強者と弱者の対立である。 支配者と被支配者との対立である。 優勝劣敗主義者と共生主義者との対立である。 米国に追従して保身を図る者たちと、米国から自立して日本を取り 戻そうとする者たちとの対立である。 だからこそ、これらの問題の是非について国民の信を問うべきなのだ。 しかし野田首相はそれをやらない。 誰も出来なかった消費税増税と、日米構造協議の総決算とも言うべき TPP協定を実現し、歴史に名前を残す、それがやり遂げられればいつ、 どんな形で首相を辞めても構わないが、それを実現してしまえば誰も自分 を辞めさせられない。 それが「捨石」発言なのである。 とんでもない事が行なわれようとしている。 「捨石発言」を一行の小さなベタ記事で見過ごすメディアは確信犯 である。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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