□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】
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□■　天木直人のメールマガジン２０１１年１１月１６日第８０３号
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　１１月１５日夜の小沢・輿石会談とＴＰＰのその後の展開に注目する　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　 　
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　きょう１１月１６日の一部の新聞が、一段の小さな記事で次のように
報じていた。

　輿石幹事長が１５日夜、都内の日本料理店で小沢一郎元民主党代表と
約２時間会談した。野田政権がＴＰＰへの交渉参加表明をしたことなど
を受け政権運営について協議したものと見られる、と。

　この記事は極めて大きな意味を持つ記事だ。

　はたして野田民主党政権のＴＰＰ交渉参加についての対応が、この
小沢・輿石会談以降、変化を見せるのか。

　その展開いかんによって小沢と輿石の本当の関係がわかる。

　なによりも政治家小沢や輿石の正体がわかる。

　小沢一郎は発売中のサンデー毎日１１月２７日号で鳥越俊太郎と
対談してＴＰＰ反対論をぶっている。

　それを読んで私は失望した。

　天下分け目のＴＰＰ論議が政治の場で戦わされていた時には沈黙して
いたクセに、週刊誌で、しかも鳥越俊太郎などという軽薄で偽物の
ジャーナリスト相手に対談し、さらにいえば野田・オバマ会談が終わっ
た後に発行された週刊誌上であの程度の浅薄なＴＰＰ反対論をぶつ小沢
に、私は心底失望させられた。

　メディアの小沢たたきと小沢裁判の不透明さについて断固として小沢
を支持する私だが、小沢の政治的力量と覚悟についてはとっくに小沢を
私は見限っている。

　その一方の輿石についての私の評価は、繰り返して書いてきたとおり
もっと厳しい。

　野田民主党政権の幹事長として権力をふるいながら、政策については
まったく語らない、語れない。

　国対に終始して野田政権をあやつる典型的な旧態政治家だ。アンシャン
レジームの政治家だ。

　ＴＰＰについても、何もわからずに賛成一辺倒に終始する。その背景
に米国の対日圧力があることなどまったくおかまいなしだ。

　野田民主党政権の維持だけが目的の政治家だ。

　いや、野田首相さえもどうでもいいと思っているに違いない。野田で
あれ誰であれ、民主党が政権を維持さえすればいいのだ。その民主党
政権の中で、自分とそれを支える労組の利権が確保されればいいだけの
政治家である。

　こんな輿石と小沢が、仲がいいという。

　輿石が野田政権の幹事長になった事を小沢は喜んだという。

　輿石は小沢を今でも尊敬し、小沢の意向を傾聴するという。

　本当か。

　もし１５日の小沢・輿石会談以降、野田政権のＴＰＰ政策に変更が見ら
れなかったらすべてはウソだと証明される。

　小沢のＴＰＰ反対など茶番だということになる。小沢は野田に対米従属
のＴＰＰ政策を本気で改めさせるつもりはなかったと言う事になる。

　その事を輿石に迫らなかったということになる。

　もし小沢が輿石にそう注文をつけたとしたら輿石はそれを聞きいれなか
ったと言う事になる。輿石は小沢よりも野田政権の側についたことになる。
輿石・小沢の「刎頚の仲」はウソだということだ。

　もし輿石が小沢の言うことに賛同し、野田首相にＴＰＰを見直せと申し
入れたにもかかわらず野田首相がＴＰＰ政策を改めなければ、輿石は張子
の虎であったということだ。

　野田首相は外務官僚と一緒になって対米従属を最優先する首相であると
いうことだ。

　そんな輿石など無用だ。

　今後の野田民主党政権のＴＰＰに対する政策によって、小沢・輿石会談
のすべてがわかる。

　それほど重要な意味を持つ１５日夜の日本料理屋における小沢・輿石
会談である。

　野田首相のＴＰＰに対する今後の対応については、この観点からも
目が離せない。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　了



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