□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年11月7日第783号 ■ ============================================================= 脱原発の流れの停止とともに消える再生エネルギー推進の熱気 ============================================================= 11月4日の朝日新聞に、「企業の自家発電ピンチ、売値下落 補助金は来春まで」という見出しの記事があった。 その内容はおおよそ次のようなものだ。 すなわち、企業は発電した電力の一部を電力会社に売ってきたが、 節電の夏が終わって電力不足のなくなる10月から売電価格が半分以下 なった。おまけに政府が夏の電力不足に対応するため導入した自家発電 設備導入の補助金が来年2月末で終わる。これではコスト高となり自家 発電はできなくなる・・・ この記事を読んだ時、私はあの再生エネルギー開発の熱気はどこへ 失せたのかと思った。 脱原発と再生エネルギー開発は、福島原発事故の反省から生まれた 日本再生の鍵だった。 ところがいつの間にか脱原発の流れが止まったと思ったら、再生 エネルギーへ向けての政策づくりまでもが停滞してしまった。 722名もいる国会議員は一体何をしているのだろう。あれほど再生 エネルギーと叫んでいた菅直人は、今何もすることがないはずなのに、 この状況を黙って見ているのか。 いまこそどんどんと新しい法律をつくりあげて再生エネルギー社会の 実現を確実なものにする時ではないのか。 それは決して難しいことではない。政治家にやる気があればできる のだ。 そもそも電力不足は冬場でも起きるのではないか。だからこそ冬場 でも節電せよと電力会社は国民に迫っているのではないのか。 原発是が非か、というイデオロギー対立ではなく、再生エネルギー 推進は誰も異論を挟む余地のない政策ではなかったのか。 すべてはこの国の政治家の無力さにある。官僚主導を超えられない ところにある。 電力会社の独占体制を突き破れない既存勢力となれあう姿がある。 「もうひとつの日本」が再生エネルギーによるコミュニティー づくりを目指すのも、まさしくこのような現状に挑戦することである。 了 ────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)