□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年10月25日第748号 ■ ============================================================= やっぱりウィキリークス情報は凄い ============================================================= ウィキリークスウォッチャヤーの私にしか書けない事を書いて みる。 最近読んだ本の中に「沖縄と米軍基地」(前泊博盛著 角川ONE テーマ21)という本がある。 9月10日に初版が発行されたこの本こそ、野田政権によって 辺野古移転が強行されようとしている今、国民が必読しなければ ならないタイムリーな書であるが、その事はここでは触れない。 私が注目したのは「ウィキリークスの衝撃」という一節の中で紹介 されている様々な米外交公電の内容である。 その中の最重要公電は、何と言ってもグアム移転海兵隊の数を ごまかし、グアム移転経費の日本負担額を水増ししていた、という 公電であり、これについては各紙が大きく取り上げたから、国民の 広く知るところとなった。 しかし、その他にも、大手メディアで報じられていない多くの興味 深い公電が公表されていた事を私はこの本で知った。 その数々をここで紹介する余裕はないが、たとえば山岡賢次(当時 民主党国対委員長)が米国大使館高官に語っていた内容はひどい。 「米国が普天間問題で引き続き鳩山政権に圧力をかけると、鳩山 内閣はたぶん崩壊する」、 「鳩山には、政治生命を絶っても普天間代替施設を年内に実施する 気なんかない」 「仲井真は彼の政治的な保身から現行案を首相に推してきた(が) 沖縄の政治では基地問題が議論されれば沖縄は常に基地に反対する。 仲井真は現行案に固執すべきだし、政治的に生き残るにはそれに かけることしかない事を(彼も)知っている・・・」 このような発言を山岡は09年12月の時点で米国大使館高官 (ズムワルト首席公使)にしていたのである。 やっぱりウィキリークスは凄い。 こんな事が大手メディアで報じられていたら大問題になっただろう。 朝日新聞はすべての情報をウィキリークスから入手していたから 知っていたに違いないが書かなかった。 やはり朝日の責任は大きい。 ここからは蛇足であるが、山岡の発言は今から振り返るとまことに 含蓄が深い。 小沢の側近が鳩山をこう見ていたということだ。 鳩山首相の崩壊は見事に言い当てているが仲井真知事の去就に ついては完全に読み間違っていることも面白い。 仲井真知事の件は、山岡が読み間違えたというより、仲井真知事が 巧みに豹変したのだ。 山岡の言うように、それしかないからと言って辺野古移転に固執 していれば知事選に落選していたであろう。 住民の強い反発を実感して直前になって対立候補(伊波宜野湾市長) と同じように辺野古移設に反対したから、争点がぼやけて勝ったのだ。 このことは逆に仲井真知事を追い詰めた事になる。 選挙にかつための変節が今仲井真知事縛っている。 そして今では仲井真知事は本気で辺野古受け入れを拒否し、政府を 追い込んでいる。 大いなる皮肉である。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)