□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年10月16日第726号 ■ ============================================================= TPP参加を唱える者はみずからを対米従属者と認めているような ものだ ============================================================= ここにきてTPP議論が加速している。 しかし、この議論を経済的な議論で終わらせては本質を見誤る。 自由貿易が正しいとか、製造業と農業のどちらを守るか、と言った 議論に終始するほど馬鹿らしいことはない。 TPP参加を主張する者は、対米配慮をすべてに優先する対米従属 の成れの果てだ。 TPP参加に反対する者は、もうこれ以上米国に日本を食い物にされ てはならないと気づいた国民生活優先論者なのだ。 その証拠を、10月16日の朝日新聞「政治考」で星浩編集委員が 見事に露呈していた。 すなわち星浩氏は次のような米国の本性をあらわすエピソードを我々 に教えてくれている。 表向きは貿易問題だが、底流では外交・政治絡みの攻防が繰り広げ られている、と前置きした上で、こう書いている。 すなわち、5月22日、菅首相(当時)、温家宝中国首相、李明博 韓国大統領の3首脳で「日中韓のFTA(自由貿易協定)の産官学研究 を年内に終える」ことで合意した時、米国は「同盟国である米国を差し 置いて中国と貿易自由化を話し合うつもりか」という不満を日本側に 伝えてきたという。 産官学の研究の後には、日中韓FTA(自由貿易協定)の本格交渉が 視野に入るからだ。 米国の警戒は相当なものがある。 米国がTPPにこだわる理由は、あくまでも米国がアジアの自由貿易 体制の指導力を取るということだ。 野田首相はそんな米国の意向に応えて、中国とのFTA交渉を先行 させるわけにはいかない、11月のハワイ・APECで交渉参加を表明 する、と首相側近の政府高官に語ったという。 何のことはない。 結論は決まっているのだ。 自由貿易が日本に得か損か、などという議論はピントはずれなのだ。 自由貿易を進めるのなら、日中韓の間の自由貿易を進めるほうが はるかに日本にとって重要なのだ。 しかし米国の圧力でそれができないのだ。 これは20年前にマハティール首相の唱えたアセアンと日中韓の東 アジア経済共同体構想の場合とそっくりだ。 あの時誰もがマハティール構想に賛成すべきだと思った。 だが、米国が入っていないという事だけで米国が反対した。 その圧力に震え上がって、誰もマハティール首相の東アジア経済 共同体構想を支持すると言わなくなった。 外務省は見事にマハティール首相を切り捨てた。 20年たっても日本の対米従属は何も変っていないということだ。 世界やアジアの状況が激変しているというのに日本の対米従属だけが 化石のように変わらないのだ。 星浩編集委員はその論説の最後で、野田首相にTPP参加の決断を 迫っている。 星浩氏みずから、このTPPは農業だけでなく医療や金融など多くの 分野で米国に食い物にされると認めていながら、それでも参加しろと 言っているのだ。 取りも直さず星浩氏と、その星浩氏を編集委員に据え置く朝日新聞は、 度し難い対米従属者であるということである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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