□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年10月10日第712号 ■ ============================================================= 「こっちへ来てみろよ」と書いた山田孝男毎日新聞専門編集委員 =========================================================== 福島原発事故をきっかけに脱原発に目覚めた識者は多い。しかしその 中でも、今でも本気になって脱原発を唱え続けている人は数少ない。 毎日新聞の専門編集委員である山田孝男氏はその数少ない一人だ。 10月10日の毎日新聞「風知草」でその山田孝男氏の「こっちへ来 てみろよ」と題する論説に目が留まった。 福島市の渡利地区の事を書いていたからだ。 渡利地区は政府によって「特定避難勧奨地点」に指定されなかった。 その事に対する住民の怒りについて書いている。 渡利地区に住んでいる旧知の夫妻を訪ねた山田氏は、その論説で、 「行政に期待しても行政は何もしてくれない、自分たちで放射線と戦う しかない」、といって行動を起こしたその夫妻や仲間たちを知って、 政府の原発対策の不十分さを批判している。 その仲間の一人が発した言葉が「こっちへ来て現実を見てみろよ」と いう言葉だ。 私は渡利地区に足を踏み入れたことは無い。 しかし先日福島氏を訪れて「福島の母子を避難させよう」と活動を続 けている人たちと話したとき、放射線量の高い渡利地区を何とかしなけ ればならないと皆が言っていた。 その事をこの山田孝男氏の「風知草」を読んであらためて思い出した。 その渡利地区が「特定避難勧奨地区」から外されたということはどう いう事なのか。 住民説明会で、「なぜ渡利を外す」、「子どもには危険な地域だ」など の声が相次ぎ、国の担当者が「まだ決めたわけではない」と釈明に追われ たという。 政府の無策ぶりを象徴するような情景が目に浮かぶ。 しかし、私がこのメルマガで言いたいことは、渡利の住民の怒りでも、 政府の無策でもない。 この論説記事から伺える山田孝男氏の心象風景だ。 山田氏はその論説をこう締めくくっている。 渡利地区の放射線量が国の規制値をはるかに上回るものであるにもかか わらず、「それはそれ、と言わんばかりに東京では経済成長と原発輸出が 論じられている。間違っていると私は思う」、と。 これは痛烈な野田政権の原発政策批判だ。原発維持にこだわる日本の 体制側の反対にある考え方だ。 ついこの間まで体制側にあった山田氏はいまや反体制側に立った。 その山田氏が、お前たちもこっちへ来て見ろよ、そうすれば今までの 考え方の間違いに気づくはずだ、そう言っているのである。 「風知草」のタイトルになっている「こっちへ来てみろよ」は、渡利 地区の住民の一人が、こっちへ来て福島の放射能汚染の実態を見てほしい、 そうすれば我々の苦しみや政府の対応の間違いがわかる、という意味の 言葉からとったものだ。 しかし、山田氏は、その言葉によって、体制側にどっぷりつかって真実 を発信しきれない同僚や体制側の人たちに呼びかけているのだ。 目を覚ませ、こちらに来ないか、真実が見えるぞ、と そう呼びかけていると私には聞こえるのである。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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