□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年7月17日発行 第510号 ■ ============================================================== 「脱原発」を性急に叫ぶ者が見落としているもの ============================================================== 福島原発事故の収束工程表がここにきてやたらに報道されるように なった。 ステップ1がおおむね達成できるようになったから次はステップ2だ、 と菅首相はしきりに強調する。 本当だろうか。冷却水漏れはおさまらず、放射汚染流出も水素爆発の 危険も終わっていないのに、収束工程表は順調に進んでいるといえる のか。 眉唾ものだ。そういう思いで新聞の報道を読んでいるうちに素朴な疑問 が湧いてきた。 「冷温停止へ正念場」、「福島第一原発3・4号機燃料搬出優先」という 7月17日の東京新聞の見出しを見て気づいた。 今度の原発事故でわかった事は原発燃料である核物質は冷やし続けなけ れば爆発する危険性があるということだ。 そしてその危険性はいくら原発を停止してみたところでなくならない。 現に福島原発は大震災時には即座に停止していたはずだ。それにもかか わらず爆発が起き、放射線が拡散したのは、停電のため冷却できなかった からだ。 その事に対する対応策が不十分だったからだ。 そうであれば原発稼動の停止だけでは不十分だ。 今回の脱原発問題の発端は菅首相が地震の確立が87%だから浜岡原発 は止めろと言ったことから始まった。 しかし浜岡原発を止めるだけでは意味はない。それよりも急ぐことは、 87%の可能性で地震が起きたときでも冷却し続けられる方策を考える ことであるはずではなかったか。 このことは、原発の再稼動を認めるかどうかの論争の不毛さにつながる。 今度の原発事故で国民は目覚めた。もはや脱原発は国民的コンセンサス である。各種の世論調査がそれを証明している。そうであれば再生エネル ギー開発も当然の流れだ。 あとは脱原発後のエネルギー政策とはどのようなものか、再生エネルギ ー法案の中味をどうするという問題である。 これは国民的議論が必要な一大政策だ。場合によっては既存の電力会社 がつぶれることになるのだ。 原発問題の議論はもはやそこまで来ているのである。 脱原発を訴え、原発推進派を批判する時期はとっくに終わっている。 原発問題を政局にする時期は終わっているのである。 了

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