□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年7月17日発行 第511号 ■ ============================================================== 菅首相を支えているのは米国ではないか ============================================================== 菅首相を支えているのは米国ではないかという指摘がある。 私は米国が菅首相を積極的に支持しているとは決して思わない。 しかし、菅首相でも構わない、と思っているだろう。 むしろ菅首相の側から、何でも米国の言う事を聞くから首相を続けさせ て欲しいとシグナルを送っているのではないか。 それほど、日米安全保障政策に関する菅首相の対米従属ぶりが目立つ。 日本国民よりも米国政権に顔を向けて仕事をしている官僚に対米外交を 丸投げしている。 たとえば、菅首相は7月15日夕首相官邸で米軍のマレン統合参謀本部 議長と会談し、普天間移設についての日米合意を着実に進めると約束して いる(16日各紙)。 たとえば、北沢防衛相はパネッタ米国防長官と電話会談し、普天間移設 を着実に進めるので米側も海兵隊のグアム移転を力強く進展させて欲しいと 要請している(7月17日読売)。 たとえば7月17日の東京新聞の社説は「強化される米軍基地」と題して、 米空母艦載機の離着陸訓練を例にあげて岩国、厚木、佐世保にある米軍基地 の機能強化が日本の財政負担で進められようとしている事を憂えている。 極めつけは次期駐米大使人事だ。 発売中の月刊文春「霞ヶ関コンフィデンシャル」において、次期駐米大使 は藪中三十二前外務事務次官で決まりであると書いている。 政治主導を看板にして政権交代を果たした民主党政権は、民間人からの 大使の政治任命を掲げた。 それに危機意識を持った外務官僚が、延命を最優先する菅首相の弱みに付 け込んだ巻き返しの勝利である。 藪中前次官は民主党政権では日米安保は危ないと米国に言いふらしていた 外務官僚の一人だ。ウィキリークスが流した米国外交公電によってそれが 暴露されていた。 そのまで民主党を馬鹿にした官僚を駐米大使にするほど菅首相の政治主導 力はうせているということだ。 国内で孤立して、ひたすら米国に延命を懇願している人事のように映る。 同じく国民の支持を失っても、あっさりと政治から退場させられた小沢・ 鳩山氏と、それでも居座る菅首相の違いがここにある。 米国に警戒感を抱かせた日本の指導者と、国民よりも米国に迎合する対米 従属の指導者と、どちらが米国に歓迎されるか、その違いである。 対米従属である限り自民党もまた攻撃できない。 了

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