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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

米軍の記録が語る沖縄戦の真実
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年7月15日発行 第506号 ■     ==============================================================    米軍の記録が語る沖縄戦の真実      ==============================================================  私はこういう記事に注目する。間違いなく一級の歴史資料である。  7月14日の日経新聞「文化」において、元沖縄県の職員である喜納健勇 (きな・けんゆう)氏が、米軍の記録に基づいた「沖縄戦」について書いて いた。  沖縄県の公文書館に出向していた喜納氏は米国の図書館や公文書館で研修 して帰国した同僚から一冊の記録を「お土産」として手渡される。  それは、OIKINAWA:The Last Battle(沖縄・最後の戦い)という米陸軍省 の記録である。  それを日本語に全訳して刊行した喜納氏は沖縄戦について次のように 語っている。  「・・・沖縄戦では日本軍が一方的に壊滅させられたと私は思い込んでいた。 多くの日本人がそう思っているだろう。しかし現実には、米軍の犠牲も大きか った・・・(米軍の記録を)ざっと読んだだけで私の沖縄戦に対するイメージ が覆された。「あらゆる生き地獄が一つになった」、「死の罠」。記録の中で 米兵は沖縄をこう表現している。日本兵は塹壕などに隠れ、どこにいるかわか らない。地面は地雷だらけだ。姿を現さない敵との先の見えない戦いに、精神 を病んだ米兵も多数いたことを知った・・・  この米軍の記録が教えてくれることは戦争の悲惨さだ。非人間性だ。犠牲者 は常に国家に命じられて闘わされる彼我の兵士であるという事実だ。  喜納氏は次のように書いている。  「全戦没者が20万人にのぼった沖縄戦は日米双方にとって大きな犠牲を強い られた戦いだった、と。  しかし、私がこの喜納氏の記事の中で注目したのは、米軍の記録から明らかに された米軍が見た日本人(日本兵)と沖縄人との違いである。  ・・・(米軍の記録は)沖縄の地理や風土、人々の分析から始まっている。 沖縄の人について「日本人は彼ら(沖縄人)を劣った田舎者であると 見なして」いて、従って沖縄の人は、「日本人よりは狂信的でない」という記述 がある。米軍が沖縄の歴史を調べていたことがうかがえる・・・  この喜納氏の何気ない短い文章が教えてくれることは何か。  狂信的な日本の軍国主義がなければ沖縄戦はそこまで無益な戦死者を出さずに 済んだに違いない。沖縄人だけと戦う戦争であれば沖縄戦の悲劇は避けられたに 違いない、と米軍は見ていたということだ。  これは米軍の痛烈な日本軍への批判である。沖縄人への同情である。  米軍の記録が教えていること、それは狂信的な日本の軍国主義がなければ、 日本人の犠牲は少なくて済んだ筈だ、少なくとも沖縄の悲惨な犠牲は避けられた はずだ、米軍の記録はそう言っているのである。  それはそのまま、今日の沖縄住民と日本政府の関係を言い当てている。                                  了

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