□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年7月5日発行 第483号 ■ ============================================================== 信じがたい官僚の仕事の質の低下 ============================================================== まったく問題視されずに見過ごされた小さな記事がある。 7月2日の朝日と毎日が小さく報じていた。 経済産業省原子力安全・保安院が公表してきた「地震被害情報」に、 合計133件の訂正や追加があったと、原子力安全・保安院みずからが 7月1日に発表した、という記事だ。 133件とは半端な数ではない。間違いだらけということだ。 それらは首相官邸や東電が国民に発表してきたデータである。 もっと深刻なのは、それらの多くが国際原子力機関(IAEA)の報告書の 中に記載され、世界に発表されたということだ。 そこで思い出したのが、かつての国会質問である。 原発事故直後の放射線被曝数値(SPEEDI)を、官邸が知っていたにもかか わらず国民に知らせなかったという問題が国会で追及されたことがあった。 官邸はその報告書を受け取っていながら、知らなかったと虚偽の報告を IAEAへの報告書で述べていたのではないかと自民党議員が追及した。 間違っていたなら訂正すべきであると迫っていた。 はたしてその報告書は訂正されたのか。 今回の133件のミスが判明した後にIAEAには訂正、追加報告を行なう のだろうか。 そもそもこれらは単純なミスなのか。意図的な隠蔽なのか。 そこで思い出すのが原子力安全・保安院の西山英彦前審議官が、6月10日 の読売新聞「原発危機 検証3ヶ月」の記事の中で答えていた次の言葉だ。 「隠す意図はなかったが、国民に示すという発想がなかった」、と。 これが本当なら、隠蔽以上に問題である。 国民に公開するという発想が西山審議官にははじめからなかったというのだ。 これが官僚の発想なのである。 西山審議官については女性スキャンダルばかりが報道され、いつの間にか原子力 安全・保安院からいなくなった。 しかし、合計133箇にのぼる未公開情報や訂正については不問のままだ。 国民に情報公開するという発想がなかった、などという西山前審議官の発言は、 西山審議官の更迭とともに永久に忘れ去られて行く。 了

新しいコメントを追加