□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年7月3日発行 第478号 ■ ============================================================== 臓腑をえぐる言葉 ============================================================== 7月3日の朝日新聞の書評欄に、佐野真一著「津波と原発」の書評を ノンフィクション作家の後藤正治氏が書いていた。 その中で後藤氏が真っ先に書いていたのは、佐野氏が現地を歩いて伝え ている被害者たちの肉声である。 その事を次のように書いている。 「・・・福島第一原発にほど近い区域では家畜類の殺処分が伝えられたが、 多くの牛たちは依然生きている。 『元気な牛を殺す資格は誰にもねえ。平気で命を見捨てる。それは同じ 生き物として恥ずかしくねえか。』 『ここへ来て、悲しそうな牛の目を見てみろ。言いたいのはそれだけだ』 東電にいま一番言いたいことは何かという問いに対する、酪農家たちの 臓腑をえぐる言葉である・・・」 臓腑をえぐる言葉。 これこそが今のメディアからなくなったものだ。 政治が弛緩している。 それを伝えるメディアの政治報道が同じく緩んでいる。 辞めない菅も、辞めさせられない民主党執行部や野党の政治家たちも、 そしてそんな政局を報じるメディアも、緩みきっている。 彼らは皆恵まれ過ぎているのだ。大震災も、原発事故も、彼らには無関係 なのだ。 だから彼らが語る言葉が空疎なのだ。 臓腑をえぐる言葉。 彼らには決してこの言葉は吐けない。 必死で生きている者でなければ人の心を打つ言葉は吐けない。 了

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