□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年7月2日発行 第474号 ■ =============================================================== 防衛装備品を民間転用して海外に輸出しはじめた防衛省 =============================================================== 菅民主党政権の重ねた罪は数え切れないほどあるが、その一つに官僚 掌握の崩壊がある。 政権末期をいいことに官僚がやりたい放題をしているというのに、それ を監視する政治機能がいまや完全に失われた如くだ。 小沢、反小沢の権力闘争に明け暮れ、最近に至っては菅首相と執行部の 完全な離反状態が明らかになった。 こんなことで、どうして官僚の行動を監視できるというのか。 7月2日の読売新聞は防衛省がアジア輸出を念頭に置いた防衛装備品 の民間転用を認めるというスクープ記事を掲載していた。 日経新聞はビジネス紙である。 もっぱら日本企業の為になる記事を書くことがその大きな役割だ。 だからこの記事は日本の軍需企業にとっては朗報だ。 しかしその一方で、このスクープ記事の政治的な深刻性については まったくと言っていいほど触れない。 日経新聞のその記事によれば、第1弾として、新明和工業が海上自衛隊に 納入してきた救難飛行艇US2について、その技術情報の公開を承認すること によって民間転用を図り、その結果武器輸出三原則に抵触しない形での事実上 の武器輸出を可能にする、というものだ。 しかも救難飛行艇US2の輸出はその手始めという。 防衛省は川崎重工業が防衛省と共同開発した次期輸送機C2や次期哨戒機 P1などを第2弾、第3弾として民間転用するという。 これら防衛技術情報の開示の承認は防衛省が一手に握っており、それらを どんどんと民間転用することにより、防衛産業の海外展開の道を開くのだ。 その見返りに権利料を受け取ったり、天下り便宜を受けたりするのだ。 これはもう無茶苦茶な話だ。 武器輸出三原則の逸脱だけにとどまらない。 この国の防衛産業の利権を防衛省と軍需企業の間で山分けするということだ。 菅政権もすっかり舐められたものだ。 日本の政治はもはや平和を語る資格はない。ますますただの国になりつつある。 了

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