□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年6月29日発行 第463号 ■ =============================================================== 東電株主総会から見えてきたもの(前) =============================================================== テレビで映し出された東電株主総会の模様のなかで、私がもっとも注目 したのは株主の一人が発した次の言葉だ。 「生活保護を受けるくらいになるまでみずから負担をして責任を とってほしい」 正確な表現は忘れたが、要するに本気で責任を取る気があるのか、 という事だ。 さすがの私もここまで激しい事を言う勇気はない。 しかし、よく考えればこれはもっともな要求なのだ。正しい要求なのだ。 原発事故は人災だと皆が言う。メディアもそう繰り返して報じてきた。 それは、原発を推進したこと、推進のために原発は安全だと国民に思い 込ませてきたこと、そして今度の原発対応を誤って被曝被害を広げたこと、 それらのすべてにおいて人災だったということだ。 その罪は東電ひとりにかぶせて終わるものではない。 原発は国策だった。それをすすめた政治家、官僚こそ本当の責任者で あった。 その結果、原発事故被災者はすべてを失い避難を余儀なくされ、多く の周辺住民が被曝の危険にさらされた。 その責任は誰にあるのか。それは国策を進めて来た全員だ。 すなわち政治家であり官僚であり、東電だ。 彼らがその職にとどまっていることがおかしい。 彼らがその生活基盤をまったく犠牲にしないことはおかしい。 ましてや彼らが大きな顔をして脱原発政策に舵を切り、引き続き脱原発 政策や再生エネルギー政策を担当すること自体がおかしいと思わなくては いけないのだ。 政治家や官僚や東電幹部は結託して原発を進め、その裏で高額給与や利権 を享受してきた。 それをまず返上するのが原発被災で生活を失った者たちへの補償である。 生活保障のレベルまで自己負担をした上で、なお不足する時はじめて増税 を国民にお願いするのが順序だ。 あらたな脱原発政策は、脱原発を当初から唱えていた者たちに委ねるべきだ。 これが私が唱えてきた権力構造の逆転である。 平和革命である。 「もう一つの日本をつくる」の根底に流れる思想である。 東電の株主総会の模様を見ている限り、どうやら日本は原発事故の教訓を生か せないまま終わってしまうだろう。 すべてはガス抜きで終わってしまう。 やがて復興策に関心が移り、これまでの支配構造が何も変わらないままに原発後 の時代が始まる。 続く

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