□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年6月27日発行 第456号 ■ =============================================================== 「さらば日米同盟」のライバル書が現れた! =============================================================== このメルマガの読者の中で「さらば日米同盟」(講談社)を購読された方 にぜひ一読をすすめたい本が現れた。 いや、「さらば日米同盟」を読んでいない読者でも、護憲論者や日本の 安全保障を真剣に考える読者にはぜひ読んでいただきたい本である。 それは「自主防衛を急げ!」日下公人、伊藤貫共著 (発行白水社、発売 フォレスト出版、2011年4月初版)という本である。 私は週末に札幌に出かけて久し振りに「さらば日米同盟」について講演を してきた。 その帰り、札幌の飛行場の本屋で見つけたのがこの書だ。羽田までの飛行 機の中で、そして羽田から那須塩原までの電車の中で一気に読了した。 「さらば日米同盟」の最強のライバル書である。 その書は日下公人氏と伊藤貫氏の対談形式になっているが伊藤貫氏の持論 を展開した本である。日下公人氏はただ畏れ入って相槌を打っているだけだ。 日下氏が相槌を打つぐらいだから伊藤氏の考えはウルトラタカ派だ。何し ろ核武装をしろという考えである。 「さらば日米同盟」で私が唱えている「憲法9条こそ最強の安全保障政策」 であるという考えの対極にある考えだ。 しかし、「さらば日米同盟」という観点においては、これまで私が目を通し た書の中のどれよりも私の考えに近い。 いや100%と言っていいほど私の考えを、しかもより的確に、より具体的 に述べている。 伊藤氏がその書で批判するのはもちろん護憲左翼である。 しかし、伊藤氏が護憲左翼よりもはるかに激しく批判しているのが、戦後の 日本を一貫して支配してきた親米保守、すなわち吉田茂から小泉純一郎に至る 自民党政権とそれを支えた外務官僚の対米従属外交である。 在米生活がながく、米国で国際政治を学び、米国の安全保障政策担当者と親 しく接しながら、その一方で日本の政治家や官僚が米国にへつらう姿を目撃し、 そしてそのような卑屈な日本の政治家や官僚を見た米国の要人たちがいかに彼ら を内心馬鹿にしているか、その真実をこれでもか、これでもか、と読者に教え てくれている。 それは的を得ているだけに圧巻だ。 同じ核武装論者でも伊藤氏と田母神氏とは月とすっぽんである。 田母神氏が日本もNATOの非核国のように、米国の核使用権を共有すれば いいというニュークリア・シェアリングを安易に口にしているのに対し、伊藤氏 は米国が他国と核平気を共有するはずがない、ましてや日本に米国の核を使用 させるはずはない、と一刀両断しているところである。 米国と言う国を何も知らない田母神氏と米国の正体を知っている伊藤氏との 違いである。 強力なライバルが現れた。 親米保守や田母神氏のようなノー天気反米保守を相手に安全保障論議をするの はたやすいが、米国からの自立を唱え、そのためには自主防衛を急げという点で はまったく一致する伊藤氏に、最強の自主防衛は核武装ではなく憲法9条だ、と 説得するのは容易ではない。 「さらば日米同盟」のライバル書が現れたと私が言う理由がそこにある。 とにかく一読を薦めたい本だ。 日本国民必読の書である。 了

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