□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年6月26日発行 第455号 ■ =============================================================== 放射線被曝を軽視し続ける菅民主党政権の大罪 =============================================================== 菅民主党政権の命運が尽きたけれど、どのような政権になろうとも真っ先に しなければならない事がある。それは国民を放射能被曝から救い出すことだ。 福島原発の放射能汚染封じ込め作業が一向にメドが立たない中で、放射線被曝 の不安が日増しに高まっている。 ところがこの問題に対するメディアの取り上げ方に危機感がないと思うのは わたし一人だろうか。 福島原発作業員の中で被曝限度を大きく上回る者が次々と発見されていると いうのに東電の対応と、その東電を指導すべき立場にある政府の対応はあまりに も鈍い。 私が驚いたのは被曝調査を行なおうとしても所在が不明な作業員が69名も いたという報道であった。そこまで身元不明な作業員に危険な仕事を任せている ということだ。 これはもう人権無視の犯罪ではないか。 しかし人権軽視はそれだけではない。 この福島原発作業員の場合は被曝の危険が格段に高いので深刻であるが、 それだけに危機意識は強い。 ところが被曝にさらされているのかどうかはっきりとしない一般国民の被曝の 危険性については、明確な危険基準がないだけにやっかいだ。 6月22日に国立がん研究センターで開かれた専門家による公開討論会で、 専門家の間ですら意見が激しく対立していたという。 だからといってそれを放置したままでいいはずはない。 少なくとも多くの専門家が指摘していることは、少量の被曝でも影響が出ると 言う放射線の怖さだ。外部被曝はもとより、内部被曝の不気味さだ。 実は「もう一つの日本」立ち上げようとしている那須野ケ原もまた被曝のおそれ があるのだ。 菅民主党政権の最大の罪は、この放射能の影響の判別の難しさをいいことに、 その判断を地方自治体にゆだね、さらには国民の自己責任に委ねていることだ。 安全なところへ避難できる余裕のある国民はいい。しかし大部分の国民は避難 先を持たず、あるいは日々の仕事に追われ、不安な中に危険な地で暮らし続ける ほかはない。 この問題に菅首相や枝野官房長官が本気で対応しているとは思えない。見えて くるのは責任回避と保身だけだ。 ひょっとしてこれは棄民政策ではないのか。 菅首相の最大の罪は、居直りでも、消費税増税でも、対米従属でもない。国民の 被曝の危険を回避しようとしない政治的決断のなさだと私は思う。 再生エネルギー法案の成立に取り組むのもいいが、その前に国民を放射能汚染から 救わなければならない。 了

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