□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年6月20日発行 第437号 ■ =============================================================== 石綿労災を一転して認めた神戸東労災基準監督署 =============================================================== 私が今日(6月20日)の報道の中で一番関心を持ったのはこの記事である。 すなわち東京新聞など一部の新聞がアスベスト入りの荷役作業に約20年間 従事し、肺がんになった兵庫県内の男性(79)の労災申請を二度にわたって 不支給としてきた神戸東労災基準監督署が、一転して労災認定していたことが、 19日、その男性の支援団体の取材でわかった、という記事だ。 私のメルマガの読者はお分かりと思うが、私は偶然のきっかけでこのアスベ スト問題に関するこの国の不作為の罪について知ることになった。 それ以来アスベスト問題に関する報道に注視し、いつまでたっても国がアス ベスト問題に真剣に取り組もうとしない事を糾弾し続けてきた。 エイズや肝炎と並んでアスベスト禍は、行政の故意・過失によって国民の人権 を損なう重大な罪であるにもかかわらず、いまだエイズや肝炎ほどに世間の注目 をあびることはない。 しかもほとんどが死亡した者の遺族に対する補償問題で済まされている。 しかしアスベスト禍は現在進行形の問題であるのだ。 今度の大震災のがれき除去でもこの問題は大きな問題となりつつある。 それにもかかわらずアスベスト問題が大きく取り上げられることはない。 私はその理由が、あまりにも厄介な問題であり、どの特定省庁も責任を取りた がらない政府の責任逃れの姿勢があると思っている。 それに協力するメディアの怠慢があると思っている。 その意味からも生存するアスベスト犠牲者に対し、それまで冷たくあしらって きた行政が、一転して謝罪し労災を認めた事に注目するのである。 もはや政府としては逃れられないと観念して救済に本腰を入れ始めたのか。 あるいは神戸東労働基準監督署の今回の対応が一過性の現象なのか。 はっきりしていることはこの男性を支援し続けてきたNPO団体の熱意が 行政を動かしたということである。 行政の誤りを正すのは、結局のところ市民の粘り強い努力なのである。 情けない話であるが、この国の行政はいまだ国民の救済にすすんで動こうとする レベルまで達していないのである。 了

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