□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年6月20日発行 第433号 ■ =============================================================== ブアジジの革命は日本では起こらないのだろうか =============================================================== ブアジジという言葉を聞いて、それがムハンマド・ブアジジと言える 者はかなりの中東通だ。 ムハンマド・ブアジジとは半年前の2010年12月17日、焼身自殺 を図り、いま中東各地に拡がる民主革命の震源となったチュニジアの26 歳の青年である。 雑貨を手押し車で売り歩いていたブアジジは警官に見咎められて販売許可 証を求められた。賄賂を渡せば見逃されただろうがそのカネもない。警官に 雑貨を押収され、駆け込んだ役所にも黙殺され、絶望して役所前の道路で 焼身自殺した。その映像が携帯電話で国内を駆け巡り、民衆の怒りが爆発し て中東革命の幕が上がった。 このエピソードを紹介しながら西川恵専門編集委員が6月17日の毎日 新聞紙上の「金言」というコラムでこう書いている。 これまでの革命は学生であれ知識人であれ主体となったキーパーソンの 顔が思い浮かぶ。しかし今度の中東革命はネットやツイッターが支配する 名もなき民衆、つまりブアジジによる革命だ。つぎはどこに起きるかわから ない、と。 そして西川氏は今月10日に中国の広東省で露天商の妊婦を排除しようと して治安要員が乱暴した事が暴動に発展した事を引用し、彼女もまたブアジジ だと言って、暗にあの中国政府でさえ中東のジャスミン革命を恐れていること をほのめかしている。 この記事を読んだ時、私は日本について考えた。そして日本の権力者の気楽 さに思いを致さざるを得なかった。 震災被害者の救済も、放射能汚染の封じ込めも、何の手も打てないまま政局 に明け暮れる政治家たちと、政府の指示なしでは自ら動こうとはしない保身に 固まった官僚たち。 それでも国民は怒らない。いや内心怒っていても行動を起こさない。 原発事故さえなければという走り書き残して自殺したフクシマの酪農家は 間違いなく日本のブアジジではないのか。 それでも日本では何も起きない。 これでは日本に民主革命は起こりようがない。 了

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