□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年6月11日発行 第403号 ■ =============================================================== 政府も国民も被曝をあまりにも甘く見ているのではないか =============================================================== 6月11日の各紙は東電が10日、上限を超えた被曝をしている 疑いのある作業員がさらに増えたと発表したと報じた。 これは深刻だ。 外部被曝は線量計の数値でわかるが内部被曝はわからない。その気に なって徹底検査すれば被爆者はさらに増えるだろう。 このような深刻な事態を前にしても厚労省は労働安全法違反で東電に 是正勧告をして事たれり、としている。 それどころか「今後限度を超えて被曝した作業員が出た場合、書類 送検も検討する」などといって東電一人を悪者にすればいいといわん ばかりだ。 これはとんでもない政府の責任放棄ではないのか。 しかし、もっと深刻な政府の責任放棄がある。 それは、政府がそのつど繰り返す「健康には被害が及ぶものではない」 とされる微量の放射能汚染の放置である。 確かに微量の放射線については、政府といえどもその対応に困難が ともなうことはわかる。 対応策を厳しくすれば経済活動や日常生活がマヒしてしまうし、甘く すれば不安はいやます。 しかし、だからといって政府が国民に明確な方針を示せないまま時が 過ぎていくなら、いつまでたっても風評被害はなくならない。無責任な 発言が繰り返される。 6月11日の産経新聞、「花田紀凱(かずよし)週刊誌ウォッチング」 において無責任発言の典型を見た思いだ。 花田氏は週刊誌各紙が報じている「放射能と健康被害の関連性」の 記事を評して要旨次のように書いている。 ・・・これらの記事を読んでも結局、放射能とがんの因果関係はよく わからない。本当はタバコや肥満のほうが発がんリスクは高いという 専門家もいる。いたずらに恐れる必要はない・・・と。 このような考えを抱く国民は多いに違いない。 ところがその花田氏も、「幼児の甲状腺がんは別」とその危険性を 認めているのだ。 花田氏や私のように人生が終わりかかった者が微量の放射能など恐れ るに足りず、などというのはたやすい。 しかし内部被曝の本当のおそろしさは、幼児や将来生まれる者たち への悪影響なのである。 そのおそろしさを一番よく知っているのは劣化ウラン弾の加害者で ある米国とその被害者である中東の人々だ。 チェルノブイル事故の後遺症でいまなお苦しんでいる人たちだ。 対策が難しいことをいいことに、いつまでたっても放射能と健康被害 に対して何の手も打てない政府、自分には関係ないからと言って「いた ずらに恐れる必要はない」と言うような国民は、放射能を甘くみては いないか。 ましてやそれをメディアで語るのは無責任の極みである。 了

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