□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年6月11日発行 第402号 ■ =============================================================== 仲間はずれされている天野IAEA事務局長 =============================================================== 6月10日の読売新聞が、天野IAEA事務局長が主要国の一部 から意図的に排除されているというスクープ記事を掲載していた。 私はその記事に注目した。 スクープといってもその記事はすでに公開されている8日付の米紙 ウォール・ストリート・ジャーナルの記事の転用である。 そのウォール・ストリート・ジャーナルの記事が報じている内容と は次の通りである。 すなわち、主要8カ国(G-8)のうちの3カ国の原子力担当高官 が、IAEAは福島事故に関する迅速で正確な情報提供に失敗したと し、「依然として日本政府の影響力の下にある」天野事務局長の対応 振りに不満を強め、原発安全策についての重要な国際会合で意図的な 「天野外し」を行なっている、という記事である。 具体的には6月6日から始まったIAEA理事会の最中にパリで 原発安全策をめぐる閣僚級会議が開かれたり、IAEA年次総会が 予定される今年の9月22日には国連本部で同様の閣僚級会合が開か れることが決まったことなどを、その証拠としてあげているという。 いずれも天野IAEA事務局長が出席できないようにしたという わけだ。 このウォール・ストリート・ジャーナルの記事が本当だとすれば 由々しいことである。日本の面目は失墜したことになる。 ついこの間のことだけれど、サミットを報じる日本のメディアは 当時さんざん報じたものだ。 原発安全対策問題が主要議題となり菅首相が主役となった、と。 議長国でもないのにサミットの冒頭で日本の首相が発言するなど 近年のサミットではなかったことだ、と。 それらの報道がまったくのウソだったことをこのウォール・スト リート・ジャーナルの記事は示しているのだ。 サミット合意をフォローアップするはずの原発安全対策の国際協議 においてIAEAの事務局長は重要な主役の一人のはずだ。 そのIAEA事務局長が意図的に敬遠されているなどということは 異例なことである。 西側の一部主要国の国名は名指しされていないが、それが米、仏、 英であろうことは容易に想像がつく。 このような異例な事態を招いた原因はもちろん天野事務局長の不徳 であり外交的な無能さの故だ。 しかし、より根本にあるのは、その天野事務局長が日本政府の代弁 者に過ぎない外務官僚あがりであり、原発事故の対応について隠蔽を 続ける日本政府に追従するしかない人物であるからだ。 菅首相は原発事故を起こした責任者としてサミットにおいて批判の 目で迎えられた。 しかし、それにとどまらず、原発保有国がこれから最重視する安全 強化対策においても、役立たずと見なされたのである。 そのような重要な意味を持つ8日のウォール・ストリート・ジャー ナルの記事を、かろうじて読売新聞のスクープで我々は知る事になった。 日本の大手メディアは、一体何をやっているのだろうかと思う。 了

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